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【人生100年時代を生きる若者へ】人事責任者が伝えたい3つのコト

はじめまして。
GAテクノロジーズという会社で、人事責任者をしている清家(せいけ)と申します。

今回はタイトルのとおり、昨今の新卒採用の経験を通じて感じた「20代の若者のみなさんにぜひお伝えしたいこと」をまとめてみました。

【この記事の想定読者】就職活動生〜社会人3年目くらいまでの若手ビジネスマン
【この記事を読むのにかかる時間】約5分

仕事柄、学生さんとキャリアについてお話させていただく機会が多いのですが、最近気になることがあります。それは、
「安定」「福利厚生」「ブラック企業」「やりたいこと」などのキーワードが頻繁に出る
ということ。
エネルギーのある若者が今から”安定”を求めるなんて…と心配になってしまうのですが、思い返してみれば、私もそうでした(笑)。新卒で人事としてAGCに入社した際は、「福利厚生が充実してていいな」「企業年金があるから老後も安心」などと考えていましたから。
しかし2008年のリーマンショックを受け、事業調整としてリストラなどに関わることがあり、その考えは一変しました。
「”安定”なんてない。大きな会社でも、いつ何があるかわからないんだ」
「変わり続ける時代、自分も変わり続けなければ。でないとこの先、生き残れない」「自分自身は何で将来仕事をしていくべきなのか?」多くの人生の岐路に携わったことで、当たり前の事実に初めて直面したのです。

なので若い皆さんには、私自身の経験から以下3点をお伝えしたいと思います。


①完璧な会社は存在しない

就職活動の中で、会社選びにめちゃくちゃ時間をかける人、たくさんいらっしゃいますよね。 
でも考えていただきたいのですが、いったい何社見れば”納得ある会社選び”ができるのでしょう?世界中の会社を見るまで終わらないのでしょうか?
また、今までの経験をもとに会社選びのロジックを組んだとして、数年後も同じことを考えているでしょうか。5年も経てば、皆さんの思考や視座は確実に変わっています。

もちろん最低限の軸を選定することは大切です。でも、そこに時間をかけすぎないでほしい。ベストな選択をすることに時間を使うのではなく、選んだ選択をベストにすることに時間を使ってほしいのです。
大学受験のゴールは合格ではないように(私も含めて多くの日本の学生はこれをゴールにしていますが…)、内定ではなく社会人としてスタートしたあとが大切です。自分の今後の努力をもって、その選択が「正しかった」と証明することが大切です。
私自身、就職活動ではAGCの内定をもらったときがゴールでした。でもそれは間違いだったとを社会人2年目で痛感します。それが先述のリーマンショックでの事業調整です。(念のためですが、AGCは素晴らしい会社ですし、今でも大好きな会社です。)

5分で意思決定するか、50分で意思決定するか。多くの場合、この時間差で選ぶ結果が変わることはありません。だとすれば、5分で意思決定して、残りの45分をその意思決定を良かったものにするための努力に使う。もしくは、5分後に振り返り、誤りだったと認めて新たな意思決定をするでもよいでしょう。意思決定の速さはそのまま成長速度に繋がります。

とにかく、完璧な人間がいない以上、完璧な会社はありません。存在しない理想郷を探すより、自分の選んだ場所を最高にする努力をすることを考えてみたらどうでしょうか。

②やりたいことは無理に見つけなくてもよい

就職活動で、「あなたのやりたいことはなんですか?」と聞かれることはありませんか?
もしくはそれを想定して、各社ごとに面接の前にエピソードを作る。そんなことありませんか?
私はこれを就活パワハラと呼んでいます。

でもみなさん安心してください。学生のうちにやりたいことが決まっている人なんてほどんどいません。もし決まっていたとしても、本質ではなく思い込みであることがほとんどです。よく耳にするのは「企画やマーケがやりたいです」というケースですが、それがどんな仕事なのか、本当に知っているのでしょうか?
学生時代にやりたいことが見つかっている必要はないのです。でもいつか必ず見つかるはず。大切なのは、本当にやりたいことが見つかった時に、それができる環境を自分で作れているかです。そのためにどうすればよいか?最初に与えられた目の前の仕事で、継続して成果を出すことです。継続して成果を出すとは、期待通りの成果ではありません。期待の120%でもありません。期待の200%を一回だけ出すことでありません。それを継続して出し続けることです。それができる人は、どの会社でも活躍できますし、チャンスが社内外から訪れます。社会に出たら平等はないのです。チャンスは自分で作らねばなりません。

もう一つお伝えしたいことは、私の実感値だと人生の中でやりたいことが出来ている割合・時間は10%もないということです。もちろん中には好きなことだけをできている人もいるかもしれませんが、私はまだお会いしたことがありません。これは起業した社長でもそうだと思います。
また、ファーストキャリアで「やりたいことができるから」と会社や仕事を選んだ人は、後々辛い思いをすることもあるかもしれません。なぜなら若いうちは、長くて3年もすれば別の仕事にアサインされる可能性が高いからです。でも、その仕事で成果を出せるかが勝負なのです。
どんな仕事でも環境でも成果を出す人には、必ずチャンスが巡ってくる。そうしてやりたいことを掴んでいくべきなのです。ぜひ、若いうちにこの経験をしてもらいたいなと思います。


③変化しつづける覚悟をもつ

2019年現在、世界の企業の時価総額ランキング上位はGAFAが占めています。その20年前はGE、コカ・コーラ、NTTなどでした。そのさらに10年前は、銀行など金融が上位を独占。
この時代の変遷を、いったい誰が予測できたのでしょうか?
みなさんの生きていく時代はどんな時代になっていくのでしょう。人口は、世界規模では急増する一方、日本では減少の一途を辿るばかり。平均寿命は100歳を超えていき、人口の4割が高齢者になるのも遠くないでしょう。
「2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く(ニューヨーク市立大学大学院センター教授キャシー・デビッドソン氏)」と言われていたり、 2045年には「シンギュラリティ」に到達し、人工知能が人類を超えるなどとも言われています。
私は、こんな不確かな時代を生き抜くためには、既存の価値観や概念に固執するのではなく、変化し続ける必要があると確信しています。
「これまでの成功パターンにしがみつかない」「どんなことに対しても、まずはやってみる」というしなやかな姿勢を持ち続ける覚悟が必要です。

また、みなさん自身が変化し続ける覚悟をもっていたとしても、会社や経営者がその覚悟を持っていないケースもあります。だからこそ「その会社は変化しつづける覚悟があるか?」という点は、会社選びの軸にぜひ入れてほしいと思います。むしろ軸はそれだけでもいいくらいです。この時代、キャリアを真剣に選んでいるみなさんが受けている会社は、みな良い会社ですよ。安心してください。


最後に改めて、今回みなさんにお伝えしたかった3点はこちらです。

①完璧な会社は存在しない
②やりたいことは無理に見つけなくてもよい
③変化しつづける覚悟をもつ

偉そうに書いていますが、私自身、この3つの価値観は社会人として10年以上働く中で得たものです。就活中や、若手時代に得たものではありません。だからこそ、実体験を踏まえたリアルをお伝えしたく、この記事を書かせていただきました。
読んでくださった方のなんらかの気づきになれば幸いです。そして、若いみなさんのエネルギーにより、日本が再度革新的に成長してほしい、本気でそう思っています。


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