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新卒や若手に教えたい、自分に合った仕事の見つけ方(変化の時代に求められる「キャリアデザイン力」)

キャリアや仕事選びに関する仕事に長く携わってきて感じる、キャリアの悩みとして多いのが「業務内容のミスマッチ」だ。なんだか仕事が合っていない、自分の力を出せている気がしない、仕事に熱が入らない、こういった悩みの根元には、自分の持っている能力と今行っている業務内容が噛み合っていないことが多い。では、どうすれば自分に合った仕事が見つかるか?それは、自分の能力を正確に把握し、それに合った業務内容を選ぶことが重要だ。

僕は現在GOAL-Bというキャリアコーチングサービスで日本を変えようとしているスタートアップで、「コーチング × キャリア支援」の領域で事業開発に携わっている。そこで見えた、他人軸に左右されず「自分の能力を最大限活かした自分軸のキャリアをデザインする」ことの重要性について書いていきたい。

多くの人が職種や業務内容ではなく、業界や知名度といった他人軸で選んでいる

前提として、日本の新卒就職は、世の中の仕事に関する知識が全くない状態で選択を迫られる。聞いたことがある会社だから、安定しているから、年収が高いから、その会社のサービスやモノに興味があるから、など。

転職時もそう。会社の雰囲気や上司が合わないから、給与が低くて年収を上げたいから、なんとなく仕事内容があっていないから。

そんな調子でいつか自分に合った仕事に巡り合い、年収やキャリアアップが実現できるのだろうか?100歩譲って、運よく年収水準の高い業界に入ることができれば、それは部分的に可能だろう。しかし、本当の理想は、自分の能力とマッチした領域で、「苦なく、夢中に、パフォーマンス高く」できる業務に取り組み、結果的に能力や成果が上がることで年収やキャリアがアップしていく、ということではないだろうか?

なぜ職種や業務内容で選ぶことが必要なのか?

誰しも人生の中で、苦なく、夢中に、パフォーマンス高く、このいずれかに当てはまる瞬間があったはずだ。これは仕事に限らず、部活やバイトでもいい。その時と同じように仕事に取り組めたら理想ではないか?

この、人生の中で苦なく、夢中に、パフォーマンス高くできていたことを振り返り、動詞や業務内容ベースで並べて見ていくと、共通項が出てくることが多い。

  • その時なぜ苦なくできていたのか?

  • 何が夢中にさせていたのか?

  • 何がパフォーマンス高くできていた要因か?

よりイメージしやすいように自分のケースを例にあげよう。以下は自分のやってきた仕事を業務内容(動詞)ベースで一覧化したものだ。ここでは、
苦なく、夢中に、パフォーマンス高くできていたことを「赤字」、
その逆を「青字」にしている。

例えば赤字を見ていくと、
「企業ヒアリング」:質問し、企業の課題や困っていることを整理し言語化することで、何をすればいいかをクリアにする
「求職者のPR文の作成」:求職者の自分でも気づいてない強みを、転職市場と照らし合わせて言語化してあげる
「後輩メンバーとの1on1」:仕事で困っていることを聞きながら一緒に整理し、業務の棚卸しをしながらボトルネックを解消し、やることをクリアにしてあげる

全て違う業務内容だがここでの共通項は、
「相手の話を聞き、現状や要点を整理したり言語化する」
「どのように進めたら良いか考え、解決策をクリアにする」

要は、「人の課題を見える化し、相手の頭をクリアにすることで課題解決すること」が僕の得意な動作行動のパターンであり、それを活かせる業務内容であった、ということになる。

ちなみにこれは仕事以外でもやっているパターンだ。友人から相談を受けたり、何気ない会話の中でも無意識的にこれをやっていて、「君と話すと頭が整理されてモヤが晴れた感覚になる。スッキリする」と言われることがやたら多い。

この「人の課題を見える化し、相手の頭をクリアにすることで課題解決する」というとても抽象的な能力のパターンだが、実はこれを活かせる業務内容は世の中にたくさんある。

  • ソリューション営業:取引先の法人顧客に対して

  • コンサルタント / 対人支援:1-1で相手の相談に乗るとき

  • マネジメント:チームメンバーに対して

  • 人事・HR領域:組織メンバーの適性を明確にし、最適な配置をする

一方で青字の業務を見ると、
「新規テレアポ営業」:相手の課題もわからない中で一方的に説明する(解決のしようがない)
「システム入力」「請求書発行」等の事務作業:ただ決まったルーティン作業をする(話しを聞いたり解決できる要素がない)

ここでは能力のパターンが発揮できないため、業務内容が合っていない、ということになる。

この時代のキャリア選択に必要なのは、正解を見つける力ではなく”デザインする力”だ

こうやって自分の能力のパターンを見ていくと、実は世の中には自分が知らないだけで活かせる領域(業務内容/職種)は思った以上に存在する。だから自分のスキルや経験にとらわれず、一度いろんな仕事を調べて活かせそうな業務内容や職種がないか、フラットに見てみることをオススメしたい。(もちろん、自分がなりたいと思う職種が、自分の現在地とかけ離れているのであれば、一時的なキャリアダウンやキャリアチェンジの覚悟は必要だ)

それにこういう見方をすると、必ずしも今の自分の仕事の全てがあっていないわけでもない、この領域では自分を活かせるからここで能力を伸ばすことにフォーカスしたらいいなど、仕事を変えるのではなく、見方や取り組み方を変えればいいじゃないか、という気づきもあったりする。

「能力をよりいかせる領域にフォーカスし、それを高めていくことでキャリアを作っていく」
「世の中の常識や正解にばかりとらわれず、自分で自分のキャリアを "デザイン" していく」

自分に合った仕事がわからず悩む社会人だけでなく、学生の段階からこの視点を持つことができれば、早期離職も減るだろうし、将来のキャリア迷子も減るだろうし、仕事のミスマッチによる社会全体の機会損失も減るだろう、と思っている。


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