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恋の終わりを春に重ねて

いつもの帰り道に君をふと重ねて、いつも通り君との過去を後悔していた。夏の花火のようにパッと消える淡い思い。秋の肌寒さに切なさを思い出さない程度の思い。冬の雪が溶ける頃に君との思いも一緒に溶かして。春の桜は飽きられる前に散ってしまうから、その潔さを是非とも見習いたくて。ふと見せる悲しい君の顔の意味も最後までわからなくて、君の笑顔にまんまと騙されてたよ、ごめんね。

君を思い出にできるほど大人になれなくて、あの頃に戻りたいと思えるほど子どもになれなくて。青春なんて甘酸っぱい言葉で片付けられない。かといって、一世一代の大恋愛ってほどでもないから、瞼の奥に溜まっているはずの涙がうまく流れない。悲しくないときに限って、涙が出てしまう矛盾だらけの君との恋。君との日々を思い出すことを忘れてしまって、最終的には思い出すら忘れてしまいたい。

言葉には何も価値がないから、次はちゃんと態度で示すよ。態度だけじゃなくて、君のための特別な言葉も併せて用意するよ。2人の問題点を後回しにするんじゃなくて、その都度伝えて不満を溜め込まないようにするよ。戻りたいなんて口が裂けても言えないし、戻りたいなんて言われたくないよ。

最後になりたいと願って、最後になれなかった恋。もう終わったはずなのに、ふと思い出してしまう恋。永遠を願ったのに、突然終わってしまうのが恋。手に入れた喜びよりも、失った悲しみの方が多いのが恋。この失恋が絵にも歌にも物語にもなりませんように。すでに終わってしまった恋物語を2人が2度と掘り返すことなく、何もなかったかのようにちゃんと埋葬できますように。

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