名もなきエキストラ

世の中の人は大半がエキストラで、日の目を浴びる人はごく僅か。そんなエキストラにもちゃんと名前や役割があって、みんながそれぞれの物語を生きている。

愛する人がいたり、嫌いな人がいたりもして、楽しんだり、怒ったり、悲しんだり、泣いたりもしている。それぞれの物語にそれぞれの役割。誰かの生活の中に誰かがいて、誰かの生活の中には誰かがいない。そして、それぞれの人にそれぞれの大切な人がいる。

自分の好きな人は他人の嫌いな人かもしれないし、その逆の場合だってある。目の前の人をちゃんと愛すこと。そして、嫌いな人には丁寧に接するを心がけること。どんな人も無碍に扱ってはならないし、かと言って大切にしなければいけないという決まりもない。

大切なのは日の目を浴びるために生きるのではなく、自分の物語をちゃんと自分で生きること。名もなきエキストラにもちゃんと人を愛する権利はあるし、何かをする権利はある。世間からすれば少女A、少年Bかもしれないけど、当人の物語の主人公はもちろん自分自身なんだと思う。