【名作】戦後日本のアンダーワールドを描いた 『あれよ星屑』をよむ
何度も何度も書きなおしてはボツにしたnote文学
先の戦争が舞台の漫画
やっぱり感想が書きづらいよ
戦中から戦後へと戦争にまつわるエピソードが星屑のように散りばめられた大河作品
ガツンと読み応えあります
舞台は戦後まもなくの日本
戦中に上司部下の関係だったふたりの男を中心に話は進行する
ここからネタバレ
戦地での思い出と戦後まもなくの東京が行き来して、いろんな登場人物たちが過去と現在で交差していて大河小説を読んでいるみたい
とても内容が濃い
そして艶やかでエロい
2024年の今からみれば不適切なエピソードが満載
戦中戦後ってこんな時代って衝撃が大きい
いまは世の中年男性が叩かれまくっていて、当時も男はつらいよ、は分かるけど、世の中が男性優位すぎてその反動が現在にも影響してそう
戦争と性が密接につながっていてのは、種の保存のためなのか、本能的なものか
ふだんオフの時は酒ばかり飲んでいる主人公が、上司の命令で敵の首を刎ねたあと、「人を殺したあと女が恋しくなる。妙なものだ」のようなセリフがある
原作者はどうやったらこんなセリフが思いつくんだろう
戦中戦後の漫画の代表作といえばはだしのゲン
小学生のときに図書館で読んでトラウマ級の衝撃を受けた
昨年8月にキンドルで全巻買って読み直したけど相変わらず読後の重さが半端ない
はだしのゲンは戦争や原爆の恐ろしさ残酷さが詰まっていて、作者の思いというか怨念のようなものがページをめくるたびに突き刺さってくる
一方で、あれよ星屑ははだしのゲンよりも大人寄りのエピソード満載で重みはあるんだけど、作者の視点はわりと淡々としている
実際の体験者か否かの違いか
物語の後半で、主人公たちが戦地で命を落とした部下(隊)の家族に会いに行く場面
妻は戦死した夫が遺した畑を守るために、村の若い衆に自分の体を差し出して、かわりに力仕事を手伝ってもらって生活しているエピソード
本当かどうかわからないけど、真実味がありすぎて、この作品でいちばんズドンと胸にきました
この作品めちゃくちゃエロい
昭和のエロさというか野性の匂い立つというか、ものすごいエロい
この作品のウィキをみたけど、どこまで事実に基づいているんだろう
教科書にかけないことがいっぱい書いてあって、台詞ひとつからも戦争の残酷さが伝わってきて生生しい
教科書よりも当時の人の生の声として聞こえてくる
主役の上司部下の関係だったふたりの男
全巻読み終えて、一人は生(ときどき性)を選び、一人は死を選びながら戦後の東京を生きてたんだなと
傍目からみれば、散った部下たちや仲間たちのためにも、精一杯生きてほしいですよ
でもそれができない、物語の冒頭から酒くらって死に時ばかりを考えながら生きている
生き残った者のなかには生きられない人もいる
戦争の歪みが感じられた作品です
こんなに部下をおもう上司って僕の周りで見たことなくて、命を捨ててまで守ってはほしくないけど、主人公の部下への思いが羨ましいとも思った
偶然知った作品だけど名作でした
まだ知らなくて読んでなくて名作って星屑ほどありそう
僕の頃は学校の図書館にはだしのゲンと火の鳥以外のマンガ本はなかったという謎…
はだしのゲンはある程度いろんな視点を見聞きしたあと大人になってから読むべき作品だと思う
わりと知られていないペリリュー島の戦記
かわいい絵柄と戦地での出来事のギャップよ
ひとの最期ってあっけないものだな、というエピソードが多い
戦争が終わった後もさまざまな生き方がある
こちらはアメリカ兵からみたペリリュー、そして沖縄戦
上の漫画とあわせて読むと両軍ともに地獄を味わった様子がわかる
上の作品をトム・ハンクス x スティーブン・スピルバーグで映像化
下に紹介するバンドオブブラザーズと対でみたい
こちらはアメリカ兵のヨーロッパ戦編
上のザ・パシフィックの終盤でペリリュー沖縄帰りの兵士がタクシーに乗ったとき、運転手がヨーロッパ戦帰りの兵士で、その運転手が「俺たちはまだ戦争に勝って色々戦利品も手にした。だから(戦利品すら殆どなかった)ペリリュー沖縄帰りのあんたからはお金を受け取れない」って感じのエピソードが印象的だった
ビルマ英軍収容所で強制労働の日々を送った元日本軍兵士による作品
差別って人間扱いしないことなんだ
あるときは透明人間のようにあるときは動物のように扱うんだ
そんな中でも懸命に明るく生きていく日本兵が描かれている
桜吹雪の舞台の話が特にいい
多分永遠にくり返しみつづける作品
冒頭30分とリアルな映像と、捕虜兵を逃すことによるラストの悲劇のエピソードと
映像版は(さらにいくつもの)版だと、原作にあった大人の秘密が描かれてます
最後に最後に、この世界の片隅にをみるたびに、どうしてこんなに一般人が巻き込まれたり無差別攻撃があったんだろうという思いになる
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