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猫と暮らすと旅ができない


できない、は言い過ぎか。

でも猫と暮らすようになってから旅行好きなんだけどめっきり減った。


以前は1日以上家を空けるときは、もともと野良猫だったうちの子の保護親さんが預かってくれていた。

でも、相手との距離感にもよるけど

そう何回も頼みづらいってのはある。

人との距離もつねに変化していくものだし。


数年前にバリ島に旅行に行った。

日本にはなかなかないワイルドさと

バイクでごった煮の町の元気さと

南国気分が最高で、

でも意外とホテルのフロント脇にポツンとあった卓球がいちばん熱かった旅だった。


帰国日当日になってアグン山が噴火。

飛行機のチケットはキャンセル。

フライトもストップ。

現地の旅行客はプチパニック状態で

どうやって帰るかチンプンカンプン。


ホテルで知り合ったバンコクの人から

ひとり3万円だしてタクシーで空港まで行かないか、

なんてお誘いも受けた。


けっきょくホテルのスタッフのアドバイスで、

現地の人がつかうバスに乗ってスラバヤという街経由で空港に行くことになった。


ほぼ未舗装の道路を延々と8時間以上乗って、その間スマホでクアラルンプール経由の東京行きチケットを購入して、

やっとこさ予定日プラス1日で帰国。


旅先で火山の噴火ってはじめてで、これまでの旅行で天災レベルのアクシデントは他になくて、

この噴火のときはニンゲンのほうはケガひとつすることなく帰れたんだけど、猫のことを考えると申し訳ないやら預け先に恐縮するやらで。

わりとこのときの、旅先で猫預けっぱなしで先がみえないって状況だったことは、帰国後地味に引きずりました。


以後、海外旅行は行ってません。

コロナのこともあったけど。

パスポートも更新しなかった。


猫って家に居つくって言われていて

うちの子は一歩でも外に出ると何時間もにゃあにゃあなき続ける。

人間の10分の1ほどの体重で、こんなににゃあにゃあいって

年1回の健診と予防接種の往復約2時間でも翌日は1日バタンキュー。


子猫だったときはこちらも不勉強で車で一緒にドライブしたけど

出先の猫のテンパり具合や猫の習性を調べてからは、環境の変化については気を遣っている。


以上から、猫と暮らしても旅ができないってこともないんだけど

なんだかんだで旅先でも猫のことが気になってしまうし

また万一トラブルがあったらなんて考えたら旅行どころじゃなくなっちゃう。気持ち的にも。


猫ってかわいいって言われるけど

かわいいだけじゃなくて、生き物としてのお世話が毎日あるし、人対猫でケンカとかもする。

なぜか引っ掻かれたりして、納得がいかない時もある。

毎朝4時30分にトイレで起こされたりする。


猫の寿命ってうちの子のアメリカンショートヘアなら13年なんて言われている。

うちの子はいま10歳。

平均だとあと3年くらいかも。

と考えただけでしみじみしちゃう。

先輩の猫好きの人から、個体差があるから20歳まで元気かもよ、なんて話もきく。


僕の場合、10年前のある日突然、知人から「野良猫を保護したよ!とってもかわいいよ」ってメールが届いて

それから1ヶ月、今日ののんちゃん(うちの子の最初の名前)動画シリーズが毎日届いて

気づいたらうちの子決定!ってなっていた。


だから、猫と暮らすメリットデメリットなんてそれほど考えずに

そのときのことしか見てなくて、あまり先のことも考えずに、気づけば10年。


でもこんな僕でも10年経って、わりと平穏無事にうちの子と暮らせたのは控えめに言って奇跡だと思うし、

もし猫が(人が)大きな病気になっていたら、とか

もし猫が(人が)家出しちゃったら、とか

何らかのアクシデントがあったら、まったく違う現在になっていたと思う。
 

まあ今回もずらずらずらっと書いてみて

特にまとめる気もないんだけど

もし今後はじめて猫とか犬とか動物と暮らすことを考えているなら、

わんこにゃんこかわいい!

プラス、人にとって不都合に感じる面、

たとえば今回の話みたいに旅先でも気になっちゃうかもよってこととか

ある程度、事前に考えてみることも大事だと思う。


それが10年もしくはそれ以上続くんだよってことも。

先がみえんのよ。未来のその時になってふりかえる時まで。


あと、SNSで動物暮らしの発信をしている人が参考になると思うけど、

いろいろと想定外のことも起こり得る。

病気とかケガとか。

だから万一のときの、お金だったり人との繋がりだったり、

ある程度の余裕はあったほうが断然いい。


とくにワンオペで動物と暮らす場合は、なるべく

何かあったら預かってくれる人とか、

動物暮らしに慣れている人とか、

まわりにいた方が安心だし、

そういう人たちが必要になるときって割とあると思う。

たとえば自分が突然入院になったとき、とか。

意外とあるのよ突然に。


10年単位で考えると、そもそも自分自身どうなるかわからないので、

あまりカチコチに考える必要はないっちゃないけれど、

備えあれば憂いなし。

準備できるならはやめにコツコツと

猫貯金するとか猫友ふやすとか

猫ぐらしの準備があったら安心ですよ。





今月の超!当たり本。
とある定時制夜間部の高校のはなし。
登場人物が個性豊かで繊細でフツーが苦手な人ばかり。
表向きはほのぼのユーモアな短編集なんだけど、トラウマだったり将来に対する不安だったり、相手を気遣う目線だったり、ディテールが細かい。
とても文学している作品。
これを書いてる現時点でも実質77円です。
この作品には陽キャにはわからない美しさがあります。


同じ作者の別作品もこれまたこの話の続編ぽくていいんだわ。


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