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Women Empowermentの"Women"を定義すること。プロ化への投資のリターンを視覚化すること。

先日、待ちに待ったプレーアカデミーwith大坂なおみからの助成事業である「Girls Empowerment Project」の現場がスタートしました。

大和シルフィードに移籍をしてきてプロ化を進めるにあたり、その中でも特に大きな資金を集めるための作戦を検討するにあたり、初めの頃に取り組んだことの一つは、神奈川県さんによるサポートを受けて、クラブへの投資による経済的リターンと社会的リターンそれぞれの目標値、生み出される各アウトカムの指標化、成長していった先に成し遂げられるゴール、その全体の整合性、所謂ロジックモデルを組み上げることでした。

クラブ全体のミッションとしては、「大和シルフィードはスポーツや女子サッカーの力を通じて、社会、企業、地域、女性を元気にしていく」ことを掲げていますが、組み上がったロジックモデルにおいては、このミッションを踏まえつつ、まずは主たる対象者である、そして具現化すべき「Women Empowerment」の対象者である"Women"を、3つに定義することからスタートしています。

1、女子サッカー選手(を中心とした女性アスリート) 
2、働く女性(を中心としたビジネスパーソン)
3、7歳〜14歳の女の子(を中心とした子どもたち)

この3つに紐づく、もしくは相互にシナジーさせようとしているアクションをいくつかご紹介します。

1、女子サッカー選手(を中心とした女性アスリート)

クラブの経済的成長に合わせて一人でも多くのプロ契約選手を生み出していくことで、選手たちが少しでもサッカーに集中できるよう、そして強化することができるようになることがプロ化の何よりのメリットですが、そこにいくつまでのアクション(アウトカム)として、

・スポーツファーマシストなどによる月経管理等の専門的なサポート

・A-proライセンスの取得や、JFA女性リーダーシッププログラムへの参加など、指導者とスタッフのキャリア構築サポート

・フューチャーセッションズさんによるファシリテーションスキル獲得など、アスリートの社会的影響力を高めるための個別サポート

・森永乳業様との「おとうふが力強く女性アスリートをサポートする」事例創出など、企業様と一緒に行う取り組み



2、働く女性(を中心としたビジネスパーソン)

これは、企業の広告宣伝に貢献するアクティベーションではなく、例えば健康経営の推進や、働く女性の活躍サポートなど、「企業内部」を元気にするためにクラブが貢献する、というアクションです。多くの企業で、普段からセミナーや研修、1on1や外部コンサルの導入など行っている中で、「制度(例えば生理休暇)があってもほとんど利用されない」、「ヘルスケアに関して女性部下とコミュニケーションをとるハードルが高い」、「ジェンダー課題などに取り組む前提となるリテラシーが人によってバラバラ」といった課題がある中で、大和シルフィードから女性アスリートのみならず、ファーマシストや栄養士、時には監督といった各専門家が入ることで、社内における対話を加速させること、相互理解を促進させること、にお役立ちをしようとしています。

・凸版印刷さま✖️大和シルフィード(月経管理とパフォーマンス)

・日産自動車さま✖️大和シルフィード(LGBTQ、性の多様性とスポーツ)


3、7歳〜14歳の女の子(を中心とした子どもたち)

これは、クラブの成り立ち(サッカーを続けたいと願う女の子たちに寄り添うこと)にも深く関わってきますが、小学校から中学校に上がるタイミングで約20%の女の子がサッカーから離れてしまうという現実の中で、スポーツを続けていくことや、女の子たちがスポーツを楽しめる安心安全な環境を作ることに、いかにクラブとして取り組んでいけるか、というものです。
ありがたいご縁が重なり、今年から「プレーアカデミーwith大坂なおみ」にサポートを頂けることとなり、7歳〜14歳の女の子を中心として、もちろん男の子や障がいの有無に関係なく、子どもたちがサッカーを通じて心を開き、将来の夢や目標を共有し、そしてその背中をそっと後押しできるような、そんなプロジェクトをスタートさせました。

そして、当日子どもたちと向き合うにあたり、例えば選手たちが研修を重ねたり、ジェンダーについて学んだり、クラブとしての「セーフガーディングポリシー」を策定したりと、プレーアカデミーwith大坂なおみから多大なサポートを受けて、レベルアップを続けています。


初めは机上のロジックモデルでしかなかったプロ化の設計図ではありますが、こうして少しずつ具体的なアクションや、そこで生み出された効果の測定などが進んできています。
それぞれの現場で、クラブに関わるたくさんの人が全力で取り組んでくれていることを、「今日はよかったね」だけで終わらせずに、大きな計画から逆算しながら、しっかりと次の成果、将来的な成長へと繋げていくことが私自身に課せらている責任だと思います。

企業として大和シルフィードを応援するとどんな良いことがあるのか、投資先として大和シルフィードへ出資するとどんな効果が得られるのか、もちろん、「夢と希望」も欠かせない要素でもありますし、同時に大和シルフィードには、視覚化、指標化された具体的に共有できるリターンとその設計もあります。

コロナの影響でストップしてしまうことも相変わらずありますが、グラウンドで闘う選手たちに負けないように、日々、営業を重ねていくのみです。

(プロの女子サッカークラブって、どうやってつくればいいんだろう。)

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