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図書館で、心の声が漏れちゃってる人がいた。

音を立ててはいけない場所の代表格「図書館」。咳払いや衣ずれの音まで聞こえてくる稀有な環境。歩くとき、ペンでノートに書くとき、本のページをめくるときに緊張感が漂う。


昨日、とある図書館に行ったときのことです。コロナの影響で予約制、滞在は3時間に限られていたので、僕は最初に読みたい本を3冊ほど選んで、近くの机に陣取り、せっせと調べものをしていました。時間が有限なこともあり、スマホの電源も切って、かなり集中できていた気がします。



そんなときです。後ろの方から、

「そういうことかー…」

という声が聞こえてきたんです。



その声は、普通の声の大きさで、ぼそっと、そして思わず出てきたようなトーンで、情感たっぷりで、感慨深さを伴っていて、まさに心の声が漏れてしまったような響きでした。

便宜上"彼女"と呼ばせていただきますが、おそらく彼女は、すごく知りたかった、わからないことがあったんだろうな。わざわざ予約して、時間を確保して、広尾に来て(もしかしたらすぐ近くに住んでるかもですが)丘を登って図書館へ。読む。調べる。考える。そしてたどり着いた。

聞こえてきた瞬間に、こっちまで嬉しくなって、思わずにやっとしちゃいましたし、この「そういうことか」に至る経緯を想像して、にやにやが止まらなくなりました。なんて素敵な瞬間に立ち会えたことか!



改めて「すごく知りたい」っていいなと。そういう気持ちをもっと大切にしようと思いました。いや、本当にこっちまで胸のすく思いでした。


* * *

ちなみにこの現場は、東京・広尾にある、都立中央図書館です。東京メトロ日比谷線・広尾駅から徒歩8分なのですが、緑豊かな有栖川公園を通って行けるのも気持ちい。webで調べたら、公立図書館屈指の217万冊所蔵で、36万冊を開架しているそう。貸し出しはやっておらず、とにかくそこで全集中で読んだり、調べものをしたりします。とても好きな場所です。


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