見出し画像

そのツッコミをする前に

目の前で行われていることがツッコミどころ満載のとき、〆切まで刻一刻と時間が迫る中、あなたはツッコミをどれくらい待てるでしょうか。

それは相手との関係や、ツッコミの自信度によるかもしれません。しかし往々にして、つい口を挟んでしまうことは、相手の貴重な機会や経験を奪ってしまいます。あなたの同僚、家族、生徒に対して、あるいは逆の立場(ツッコミされる側)で、思いあたる節はありますか?


例えば営業で。
まさに目の前で同僚が、失敗するかもしれない商談を繰り広げています。あるいは、未達で月末を迎えようとしています。

例えば資料作成で。
まさに目の前で誰かが、もっとこうしたらいいのにと思える企画書やレポートを書いています。

例えば打ち合わせで。
まさに目の前で誰かが、決めるべきことを決めずに、注意すべきことに気づかずに、ミーティングを終えようとしています。


昨日、普段1on1してる大学生と飲むことがあり、その際に出た話題でした。今日は「待つこと」について書きます。


「待つ」ことを可能にするのは性格に非ず

「待てる」ことはスキルです。待てるか待てないかは、待ちたいか待ちたくないかの価値観に基づいた上で、相応のスキルが必要です。考えもせず、反射的に待たない(ツッコミを入れる)のは、繰り返しですが相手の貴重な機会や経験を奪うことになります。

スキル=挽回力です。
スキルが上がれば、残り時間が減っても、〆切までに挽回できます。
スキルが上がれば、失敗してしまっても、その後に挽回できます。

挽回力=機会提供量です。
挽回に1ヶ月かかるなら、〆切1ヶ月前までの時間を相手に提供できます。
しかし挽回が5分でできるなら、〆切5分前までの時間を相手に提供できます。
あるいは、挽回が100万円しかできないなら、100万円までの失敗機会を相手に提供できます。
しかし挽回が1億円できるなら、1億円までの失敗機会を相手に提供できます。
(もちろん挽回はお金に限ったことではなく、一例です)

つまり、あなたのスキルが向上すればするほど、比例して挽回力がつき、同時に相手に提供できる機会が増えるんです。


成長は「結果」ではなく「過程」がもたらす

成功した、あるいは失敗した、という事実そのものが、その主体の成長と変化を促すことはないのではないでしょうか。成長と変化は、結果ではなく、どのような機会や経験があったかという、過程から生まれるものだと思います。

もちろん、手前で成功しないと手に入らない機会・経験はあるでしょう。その場合はもしかしたら、総合的に見て、ツッコミを入れる方が相手のためになることもありかもしれません。そこは熟考と決断が必要になるでしょう。


では、機会と成長はどのような関係でしょうか。
恐らく、機会の量は、比例関係以上に、加速度的に相手の成長をもたらします。経験に経験が重なることは、単なる「足し算的」ではなく、前の経験によって次の経験の質量に影響があることで「掛け算的」な成長を生むからです。

画像1

あなたの挽回力、つまり「待てる力」によって、相手に機会提供できることは、これほどまでに相手の成長に影響力を持っています。1回1回のツッコミを遅らせる、あるいはしなくなることは、重要なことなのではないでしょうか。


待つ怖さ、待つ勇気

待つということは、とても怖いことです。チキンレース的です。自分を試すような感覚があります。でもあなたの怖さと(きっとあなたにとって大切な)相手の成長とを天秤にかけたとき、目指す方向性は一択であってほしいです。成長が見えるには時間がかかることも多いですが、それを実感できたときは、格別のうれしさが待っていることでしょう。あなたの勇気も報われます。

あなたが強くなればなるほど、待てれば待てるほど、
相手は加速度的に成長できます。

だから、ぎりぎりまで待ちましょう。
なんなら、失敗してもらいましょう。
そのために強くなって、勇気を持って、待ちましょう。
(僕自身にも言ってます)

心から応援しております。今日もありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?