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ある幼稚園の事例 -体験・体感してもらう方向で自ら考えて行動する-

世界中の幼稚園を繋げこどもの未来を創る建築家の藤井亮輔です。

mission
「世界中から保育園・幼稚園を選べる世界に」
vision
「世界中の子供たちが友達になれる世界」

こんにちは。
今日は、私が2020年5月に出版した「天才を創る環境」から。

引き続き「体験と体感が大事」の章を進めます。


ある幼稚園の事例
体験・体感してもらう方向で自ら考えて行動する

前回の記事「体験、体感は大事」というお話の続きです。

お水遊びもこどもにとっては、楽しい体験・体感の場です。お水遊びをしているこどもは、どんな状況でしょうか。お水遊びは、こどもにとっては非日常の遊びだったりしますなので、すごく面白い。楽しい。という感情が芽生えます。ここで、ある幼稚園のお話も交えたことをお話します。

私たちの感覚で、こども(0歳から5歳)にお伝えしても、今までと同じで私たちのメッセージはほぼ伝わっておりません。そこで、ある幼稚園では、体験・体感してもらう方向でこども自ら考えて行動するようにしています。どのようにしているかを今から説明しますね。

こどもの手洗器にお皿がなく、そのまま地面に落ちる手洗器を使用しています。公園にある、手洗器をイメージしていただくとよくわかるかもしれないです。
受け皿がなくて、そのまま地面に落ちる手洗器です。イメージできない人は、となりのトトロの洗濯の時にさつきちゃんとめいちゃんがお水を出して、足で洗っているシーンのところがありますよね。

あの絵も、お水がでて、地面に落ちるタイプですよね。とある幼稚園はこのシステムを使用しています。ほかの園とどう違うのか。それは、お水を出したり止めたりすることを大人が教えないことなんです。

こどもは蛇口をひねってお水を出します。蛇口を回せば、回すほどお水の勢いがよく出てきます。そのタイプです。今時の、自動ではないです。

昔の蛇口をひねって対応するタイプをしているので、本来は大人がこのぐらいが適している量ですよ。という事を教えますよね。もしくは、大人が扱ってこどもは手を洗うだけにしているところもあります。

不快感を感じた時に次の行動につながる

しかし、大人が教えていない園ではどうしているかというと。こどもが、楽しく蛇口をひねって勢いよくお水を出して遊び出します。とにかく、お水が出ているのを、楽しく観察しています。しかし、ある時に、不快感を覚えます。

どんな時に、不快感を覚えるのでしょうか。考えてみましょうか。楽しい。という感覚から、不快感です。これは、私たちの目線で考えるとわかるお話です。

天気でいきなり雨が降ってきてびしゃびしゃになったとき、どう感じますか。この感覚はこどもも、大人もほぼ一緒です。こどもも、足元がびしゃびしゃになり、気持ち悪い。などの不快感を感じるのです。

この不快感を感じた時に次の行動につながります。どんな行動でしょうか。そうです。水の勢いを調整する行動につながります。

こどもは、できないことも多いが
できることも沢山ある

こども自ら蛇口の調節をして、自分の足に飛び散ってこない量を考えて、体験して、また考えて、体験する。を繰り返します。そうするとどうでしょうか。

自ら考えて行動するので、自分に適した量を調整する事が出来るのです。これってすごいことではないでしょうか。大人がこのぐらいが適しているよ。と頭に教え込まれたこどもと、自ら考えて行動できるこどもの2パターンができてしまうのです。これって、前者だと、自分で考えて行動するという考えがなく、与えられたことしかできないこどもを育ててしまう事につながります。

こどもは、できないことも多いですが、できることも沢山あるのです。むしろ、できなくて当たり前。できるように自ら考えて行動できる能力があるのです。

建築家・教育者・著者・講演者
藤井亮輔


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