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会社設立freeeを使って株式会社をつくる手順(後編)

2020年12月2日(水)、株式会社FromFromとして法人登記をしました。
一人社長ではなく、従業員を1人雇用したケースの株式会社設立までの流れを記録します。定款認証までの流れは、下記の前記事をご覧ください。

前回の記事では、公証役場で定款認証の手続きをして自分の口座に資本金を振り込むところまで終えました。

今回は、法務局へ登記書類を提出し、会社設立するところから始まります。

前回同様、「会社設立freee」を使って会社設立を行っていきます。

①法務局へ登記書類を提出

12月2日、いよいよ法務局へ登記申請を行う記念すべき日です。

法務局で登記申請を行った日(郵送の場合は書類が届いて申請が受理された日、オンラインの場合は送信データが受理された日)が会社設立日になります。
会社設立日にこだわりがある人は法務局に直接書類を持参して申請することをおすすめします。

弊社は12月2日が設立日ですが、「なぜ、1日じゃなくて2日なんですか?」とよく聞かれます。理由は法人住民税が関係しています。
法人住民税は、毎月1日に事業所があるかどうかによって判断されるため、1日に設立するか2日以降に設立するかで分かれます

1日に会社を設立 → 法人住民税:12ヶ月分
2日以降に会社を設立 → 法人住民税:11ヶ月分

1日の違いでちょっとした節税になります。

登記申請当日、トラブル発生!
「会社設立freee」では親切に管轄の法務局を教えてくれるのですが、さっそくトラブルが発生しました。

長年地元に住んでいる私は自分が住んでいる地域にも法務局(支局)があることを知っています。

「今ではオンライン申請ができるものの、これまで会社設立してきた先人たちはわざわざ県庁所在地まで行って登記申請をしているはずないだろうから地元の法務局でも大丈夫だろう」と思ったのです。

しかし、いざ地元の法務局に持っていったところ、「ここでは法人の登記は受け付けておりません(不動産登記のみ)」と言われてしまい、OMG!!!

なんとしても12月2日中に登記しなければいけなかったので県庁所在地にある法務局(本局)まで高速道路を使って片道約1時間の旅に出ます。

法務局(本局)へ到着後、書類をチェックしてもらいます。(不備がないかパラパラと見る程度)
問題なさそうであれば登録免許税として15万円の収入印紙を購入して納めます。収入印紙を貼って再度提出すれば登記申請が完了です。

高速道路を使って1時間かけて法務局に来ましたが、法務局滞在時間は3分でした。たった3分のために数時間とガソリン代・ETC代が無駄にならないようちゃんと「会社設立freee」の指示に従いましょう。
帰りも1時間の運転の旅が待ってます。

創業者にとって会社設立は記念すべき日ですが、書類を提出するだけなので呆気ないです。「法人設立おめでとうございます!」なんて言われません。
(1時間かけて法務局に来たからか、妙に達成感がありましたが…)

登記申請を行ってから完了するまでの時間は約1週間です。
登記完了すると各種届出や法人口座開設に必要な履歴事項証明書・印鑑証明を発行できるようになります。

12月3日(登記申請翌日)、登記完了!
登記申請をした翌日、どれくらいで登記完了するか法務局に電話をして尋ねたところ、「早ければ明日(12月4日)、完了すると思うので完了したら電話します」という返事をもらいました。

すると、数時間後に電話が来て異例の速さで登記完了しました!

②履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、印鑑証明書を発行

■ 12月4日、法務局(支局)にて履歴事項証明書、印鑑証明を発行
履歴事項証明書は各種届出だけでなく、不動産の契約や金融機関などから提出を求められるので会社によって必要部数が異なります。

原本ではなく履歴事項全部証明書の写し(コピーしたもの)でも良いケースが多いので事前に確認することをお勧めします。

事前に各所に電話で確認したところ、履歴事項証明書の原本が必要だったのは次の2箇所のみです。

金融機関
年金事務所

上記以外は全て写しで問題ありませんでした。

【法務局でかかった費用】
・履歴事項証明書(600円) 2部
・印鑑証明書(450円) 1部
合計 1,650円

法人口座は登記完了後、即座に作るべし!!
法人口座は信用金庫ジャパンネット銀行に申し込みました。
メガバンクはこれら二つを作ってから申し込む予定です。

「会社設立freee」で法人用クレジットカードも作れるのでつくっておきましょう。「freeeセゾンプラチナビジネスカード」を作りました。

法人口座は事業の取引だけでなく、年金事務所などの税金の引き落とし先としても必要なので登記完了後すぐに開設しましょう。
また、受け用、支払い用、貯蓄/税金用の3つの口座を作るのがベスト。
受け用メガバンク(信用度)
支払い用ネット銀行(手数料が安い)
貯蓄/税金用信用金庫(開設までスピードが早い)

③年金事務所で社会保険・厚生年金に加入手続き

これまでフリーランスだったので国民健康保険や国民年金でしたが、今度は社会保険や厚生年金に変わります。
「会社設立freee」にも指示がある通り、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」と「登記事項証明書(原本)」が必要です。また、指示にはありませんでしたが「被保険者資格取得届」も必要なので日本年金機構からダウンロードしましょう。(年金事務所で記入することも可能)

年金事務所では、代表や従業員の月額報酬、マイナンバー、保険料の口座振替用の金融機関情報が必要です。振替用口座はこの時点ではできていなかったので後日提出。設立月内に提出すればOKと言われました。

新規適用届には事業所所在地の略図を書かなければいけません。xlsxファイルがあるので入力しました。そして、略図にはGoogleマップをスクショして画像としてエクセルに貼り付けました。

④労働基準監督署で労災保険の手続き

※従業員を1人でも雇用する場合、必須!社長1人だけの場合は不要

事前に電話で確認した際には持参する書類は不要でした。事業の種類や保険料などを把握していれば問題ないです。

⑤公共職業安定所(ハローワーク)で雇用保険の手続き

※従業員を1人でも雇用する場合、必須!社長1人だけの場合は不要

登記申請までの会社設立に関しては「会社設立freee」のお陰でバッチリと望むことができました。しかし、これまで長年フリーランスだったので社会保険や労働保険などの労務周りはサッパリ分からない状態でした。

しかし、世の中には素晴らしいサービスがたくさんあるので便利なものはドンドン取り入れていきましょう。

■ 活用したサービス
ジョブカン」(勤怠管理)と「SmartHR」(労務)を活用しました。
特にSmartHRは従業員の入社手続きを始め、何をすべきかのToDoをスケジューリングしてくれるので会社設立前から登録することをおすすめ。

【費用】
ジョブカン(設立3年未満の法人は「ジョブカン起業支援プログラム」により1年間無料)
SmartHR(従業員30名以下の場合「¥0プラン」)

全て無料で利用できています。使わない理由が見つかりません。

さて、ハローワークでは労働基準監督署に行った後に「履歴事項全部証明書(写し)」と「出勤簿」の提出を求められました。

「しゅ、出勤簿? つくってねー」という状態でしたが、さすがSmartHR。出勤簿の雛形もちゃんとあります。
参照:【一覧】入退社時に利用する書類のひな形

このままプリントアウトして従業員の名前を書いて提出しましたが問題ありませんでした。

ここまで来ると会社設立の手続きにも慣れ、意気揚々とプラスのオーラが出ているはずです。しかし、雇用保険の手続きをしなければならないハローワークは真逆の世界。
待ち時間は長い上に、あの暗い感じはこちらまで気が滅入ってしまうので電子申請もアリだと思います。

⑥税務署へ届出提出

税務署への届出提出は1ヶ月と時間的に余裕がありますが、他のものと同様に設立後すぐに提出して事業に専念することをおすすめします。

提出物は「会社設立freee」がバッチリおさえてくれているのでまとめてダウンロード。定款のコピーも添付します。

さらに、私はこれまで個人事業主で活動していたので「会社設立freee」で記されている書類の他に、税務署で個人事業主の廃業届や青色申告の取りやめ届出書も提出しました。

⑦都道府県税事務所へ届出提出

法人設立届出書、履歴事項全部証明書(写し)、定款(写し)を準備し、提出するだけ。法人設立届出書は税務署に提出したものとは異なるので注意。
都道府県のホームページから様式をダウンロードしましょう。

⑧市町村役場へ届出提出

上の都道府県税事務所と全く同様です。
役場によってはホームページ上に様式がない場合があります。様式は都道府県税事務所と同様で問題ありませんが届出先の名前を修正しましょう。

その他行ったこと

■ 法人電話(固定電話)の契約
リースを組む際、審査で法人電話があるかどうかはかなり重要なので会社設立後すぐに動くべきです。

今回はオフィスが入ってるビル側で既に「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー/ギガマンション・スマートタイプ(全戸加入プラン)」に加入していたので「ひかり電話」の加入を行いました。

電話機はハードオフで中古電話を購入(3,300円税込)

■ 複合機のリース契約
法人口座や法人電話、ネット環境が整っていることが条件でしたが、リース契約を申し込み、第三者に連帯保証人になってもらうことでようやく審査が通りました。

■ オフィスの開業準備
最低限揃っていれば仕事ができるのですが、オフィスのレイアウトを考えたり、オフィス家具を見ていると一人暮らしを始めた時のように「あぁしたい、こうしたい」などイメージが湧いてきてあっという間に時間が過ぎていってしまいます。(お金もかかる)

「あれ?今日仕事したかな?」という日が何日もありました。

■ ハードオフ(オフハウス)
・バリスタ(2,300円)
・冷蔵庫(14,000円)
・食器棚(7,000円)
ドン・キホーテ
・加湿空気清浄機
・掃除機
・コーヒーなどの消耗品
100円ショップ・ドラッグストア
・文房具、オフィス文具
・キッチン、トイレ周りなどの消耗品

キリがない上に資本金には限りがあるので開業当初は訪問者が来ても恥ずかしくない程度にしておきましょう。

前回の記事にも登場した不動産会社から長テーブルや椅子、エグゼクティブチェア、デスク、棚などたくさん頂きました。めちゃくちゃ感謝してます。

これから行うもの

■ 日本政策金融公庫の融資申込
会社設立前から事業計画書を作成したり準備をしていましたが、創業・開業前後は会社の手続き関係でリソースを割かれてしまって数週間動けてませんでした。

各種届出がひと段落し、会社として始動し始める頃にようやく申請。

設備投資の見積書を準備したり意外と時間がかかります。また、別途でオリジナルの添付資料を作るといつまで経っても申請できず、資本金が枯れてしまう前に最低限の準備ができたら申し込みをすべきです。面談できちんと説明ができれば大丈夫。(まだ面談してませんが)

会社設立を終えて

無事に株式会社を設立することができましたが、開業準備をしている間はほとんど仕事ができません。その上、創業費や開業費で多額の資金が必要になります。

また、従業員がいる場合、その間に何をすべきか指示を出さなければいけません。気をつけてはいましたが、会社設立の手続きや自分のことでいっぱいになっていて視野が狭くなってしまっていました。社員としても「手伝いたいけど、どこまで手をつけていいのか分からない」といった感じだったはず。

会社設立当初とはいえ、既に1期目が始まっています。
経理・会計も意識して事業を進めていきたいです。

Image by Pexels from Pixabay

最後まで読んで頂きありがとうございます。 戴いたサポートはスキルアップに使わせて頂きます。