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大学時代の部活のこと

大学に入学するも、一年時はコロナでずっとリモート授業だった。学生と関わる機会がなく、家に引きこもり腐りかけてた俺は、秋頃から、何か部活やサークルに所属したいと考え動き始めた。

バドミントン部、ラクロス部、準硬式野球部を見学しに行った。ラクロスはやや興味を感じたし、マネージャーが友好的に接してくれたのでそこにも惹かれたが、朝練がだるかったのと、練習が週4であって、多すぎるように感じたのでなしにした。

それに比べて、アイスホッケー部の練習を見学したときは、特に粗が見つからなかった。練習はスケートリンクの契約の都合で深夜だったが、朝練に比べればマシだと思ったし、先輩のマネージャーも可愛かったし、部員の先輩も、割と優しくて、まともな男が多いように見えた。


初めて見学に行った。リンクでの部活というのは、当然初めての経験で、独特の雰囲気があり高揚感を感じた。夜の練習というのも、どこか祭りのような特別感があり、悪くないと感じた。

ニ、三回ほど見学に行って、入部を決めた。そういえば、後から部費が月一万かかるということを伝えられた。大学の部活にしては高い。そんなことを後から言うのはずるいと思ったし、先に訊いておくべきだった。


同時期に、見学に通っていた同級生がいた。彼はオタクっぽい雰囲気で、雑談している感じもどこかずれていて、「キモいオタク」という印象を受けた。だが、他の同級生の部員二人は、マネージャーとの恋愛絡みの問題がきっかけで辞めていき、最後まで一緒に過ごしたのは彼だった。

今書いた部員二人と、マネージャーが一人、元来の同級生のメンバーだった。彼らは、初めて会った時にどこか違和感を感じた。どこか後ろめたいそうな雰囲気を感じた。今思えば、その第一印象の直観は間違っていなかったのかもしれない。結局彼らは、そのマネージャーとの恋愛絡みで、ドロドロに争い(?)、みんな辞めていった。


それでも、先輩たちは多分いい人たちだった。今思えば、年が違うからという理由だけで壁を作らず、もっと部活以外でも一緒に過ごしたりできるようにすればよかったのかもしれない。そうすれば、大学を辞めずに済んだ可能性も、なきにしもあらずとも思う。

当時下宿で、車の免許を持っていなかった俺は、マネージャー三人が乗る車と一緒に、いつも男一人で送迎してもらい、練習場に行き来していた。女たらしの俺としては嬉しい時間だった。


アイスホッケーについては、最初は当たり前だが誰よりも下手くそで、足手まとい感を感じて辛かった。早く平均的なレベルにまで到達したい、と思っていた。

とはいっても、自主練なんかはほとんどいかなかった。そこまでのモチベーションを、アイスホッケーに対して持っていなかったということだ。夜な夜な練習に出ていくのも、正直億劫なことの方がずっと多かった気がする。マネージャーがいたから、続けられていた部分が結構あるかもしれない。


それでも、嬉しかった瞬間は、試合でゴールを決めた時だった。初ゴールを決めた時、先輩の一人が抱きついてきてくれたり、二階席からマネージャーが手を振って喜んでくれていたり、動画を送ってくれたり、試合終わりに先輩の何人かが褒めてくれたりして、流石に嬉しかった。

それでも、深夜の野外の駐車場で、ストレッチをしたりしていると、なんだか寂しさや虚しさが襲ってくることが多々あった。こんなことを今していていいのか、これが俺が今一番すべき最善のことなのか、という疑問があった。


結局、一年間やって、俺は部活を辞めた。辞める時はちゃんと皆んなの前で挨拶できた。辞める理由については、一年間続けても、アイスホッケー自体がそこまで好きになれなかったからだ、と話した。それは建前のつもりはなかったが、本当はもっと心の深いところに、愛や夢や人生についての、問題があったのかもしれない、と思うが、当時そこまで自己探究できなかった。


所属する場所をなくした寂しさは、小さくなかった。自由に使える時間は増えたが、それも結局そこまで有意義に使えなかったように思う。

その後はサークルに入ったりしたが、それも続かず、授業にもろくに出られず、結局三年次に大学を中退した。


部活を辞めたのが正解だったのかはまだ判断がつかない、と思う。もしかすると、高校野球や浪人の時と同じ様な過ちを繰り返しているのかもしれない。

前に進みたい。

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