あいから 3章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

「亮介これをつけたまえ」

「おっ!かっこいい!ポールスミスのシルバーのリングだ!」

「給料が入ったからね…サプライズプレゼント!サイズどう?」

「ちょうどいい!」

1週間後「亮介みてみて!じゃーん!婚約指輪!」

「…」

「あれ?どうしたの?」

「婚約指輪って男性から女性に贈るものじゃない?」

「え?そうなの?」

「プロポーズも先にされるし、婚約指輪も渡されるし…俺は不甲斐ない男みたいじゃないか」

「まぁまぁ、細かいことはいいから開けてみてよ」

「(決して細かくない…)おぉ!すげーかっこいい!」

「ティファニーのアトラスナロー!亮介に似合うと思ってさ!つけてつけて!!」

早速、左の薬指につけると

「…」

「…」

「う、嘘でしょ…こんなにぶかぶかって…まさかのサイズ違い?せっかくダミー指輪で測ったのに」

「この間の指輪はサイズ測定用だったんだ…」

「うぅ…」彼女が泣きそうになる。ダミー指輪まで買って失敗するところが可愛らしく彼女らしい。

「よし!いいことを思いついた!明日出かけよう!」

彼女と銀座のティファニーに向かう。

「どの指輪にする?結婚指輪にするとしたらどれ?」

「結婚指輪?」

「どれがいい?これがいい?」

「これがいいな…」

「後悔はない?」

「ないよ!」

「結婚指輪はこれにしよう。俺はこれを結婚指輪にする」

「アトラスナロー?」

「見ててね」彼女がくれたぶかぶかの婚約指輪に重ねるように結婚指輪をつける

「重ね付けすれば蓋になって落ちない!いいアイディアでしょ?」

「嬉しい…」

「せっかく選んでくれた『この指輪』がいい!交換したりサイズ直してもいいけど…種類が違うアトラスナローの重ね付けってかっこよくない?」

「かっこいい!いいアイディア!」

「決定!」

「うん!」

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