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切り絵御朱印「円明」「無礙」ー伝統の黒谷和紙✖️切り絵作家望月めぐみ✖️伊藤東凌

全国の寺社仏閣では切り絵御朱印が人気ですよね。
両足院でもこの度2種類の伝統和紙を用いたアート御朱印が2種類授与開始となりました。

切り絵御朱印「円明」「無礙」が出来るまで

両足院のこれまでの御朱印

両足院でも、寅年に合わせて2022年お正月から切り絵御朱印を授与開始いたしました。

「毘沙門天堂」を模った「毘」

「毘」


「半夏生」を模った「念彼観音力」
がございます。

「念彼観音力」


京都の伝統文化を次の時代に伝えたいという思い


この度、切り絵作家の望月めぐみさんと当院副住職伊藤東凌がタッグを組んで新しい御朱印を作る話になった時、

「京都の伝統文化」を伝えていきたいという思いがお二人から出たようです。

そして、使用させていただくことが決まったのは、京都府指定無形文化財である「黒谷和紙」でした。

黒谷和紙は、1枚1枚丁寧に作られているそうです。手作りの温かみがある和紙を使用しております。

黒谷和紙は京都府綾部市黒谷町・八代町と、その周辺地域で作られた紙です。
良質な楮(こうぞ)を原材料として、職人により「手漉き」(てすき)で、
一枚一枚が丁寧に作られます。
黒谷和紙は丈夫で強く、長持ちするのが特長です。
大正時代には政府から日本一強い紙として認められ、乾パンを入れる袋としても重用されました。

黒谷和紙協同組合HPより引用


切り絵作家望月めぐみさんの想い

望月さんにこの切り絵御朱印への想いをお聞きしました。

望月めぐみさん

無限 ∞ の形に宙を舞う龍が、境界の無い空をゆく雲を抱く姿。
その中に御朱印がふわりと浮かびあがるように、切り絵を制作しました。
龍の手の先には両足院の寺紋である月星紋が冴え渡ります。
御朱印紙には京都の黒谷和紙を使用しています。ナイフで刻むことで生まれる切り絵ならではの線の力強さが、レーザーカットにより手漉き和紙の上に再現されています。
楮の樹皮の繊維から作られる手漉き和紙は、数百年、千年以上の時を経ても残ることが、現存する書画の遺物により証明されています。
お受けいただいた御朱印を永く大切にしていただけますように、また、現在日本各地で失われつつある手漉き和紙の伝統を未来へ繋ぐため、広く多くの方にお手に取っていただけますよう、用いました。


[プロフィール]
切り絵作家 望月めぐみ
一枚の紙を刻んで生まれる切り絵特有の緊張感のある透過美を活かし、寺院や茶室といった伝統建築における大型のインスタレーション作品を多く手掛ける。テーマは古今東西の神話や思想。京都を中心に有形無形の歴史遺産に学び、その精神を現代作品として再創出する。また、素材への関心から国内外の紙産地の取材を続けている。
website http://www.mochime.com/

両足院副住職伊藤東凌の想い


副住職にもお話をお聞きしました。
今回の「円明」「無礙」は、白隠禅師の言葉に由来しているそうです。
白隠禅師は、人々に坐禅の素晴らしさを伝えるため、親しみやすい七・五調の和文で示された方です。

「円明」はまん丸として欠けることのないこと。
「無礙」は何も遮るものがない様子です。
どちらも今の時代だからこそ心に持っておいていただきたいと思い選ばれたそうです。

三昧無礙の空ひろく
(心を落ちつけて集中して坐禅をすることで、
 何もさえぎるものがない空のように心は自由自在で広い)

四智円明の月さえん
(空には、真ん丸とした月が明るくさえわたっているように
 自分の心を4つの智慧が照らしていることに気づく)

此の時 何をか求むべき
(この自分の心を照らす明かりに気づいたとき、
 他には何もいらないことに気づくでしょう)

寂滅現前する故に
(心が静まり迷いや悩みが目の前に
 ありのままにあらわれているのだから)

当処即ち蓮華国
(迷いや悩みのあるこの世界が極楽浄土であり)

此の身即ち仏なり
(迷いや悩みのあるこの自分自身が仏なのですよ)

白隠禅師のお言葉より



両足院の切り絵のアート御朱印完成


望月めぐみさんの龍の切り絵の迫力は素晴らしいですよね。
「円明」はゴールド
「無礙」はシルバー
の台紙になっています。どちらも繊細でスタイリッシュな御朱印になっております。

両足院の寺紋である月星紋にも注目してくださいね。

授与所では、両方買われる方が一番多いですが、
「円明」も「無礙」もどちらも同じくらいの人気です!
数量限定のため気になる方はお早めに両足院授与所または、オンラインお授け所にて。


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