見出し画像

テキストコミュニケーション体験を良くするために気をつけていること

リモートワークも相まって、テキストでのコミュニケーションを取る機会はめちゃくちゃ増えています。

そして、これがまたとにかく難しい。。
やればやるほど、対面の口頭でのコミュニケーションがいかに素晴らしかったかを感じます。

しかし、かといってなんとかして全部対面でやろうとするのは、働き方やパートナーの選択肢を狭めるいわば"進化をやめるムーブ"だと思うので、どうすればテキストでもなるべく快適なコミュニケーションができるようになるのかを自分なりに考えてみました。

テキストコミュニケーションは誤解が生まれやすいから難しい

まず、テキストコミュニケーションがなぜ難しいのかについて、自分は「誤解を招きやすい」という点が大きいと思います。

ここでいう誤解には

  • 情報の誤解

  • 感情の誤解

の2種類があります。

誤解の責任の多くは発信側にある

こういった類の誤解が起きる原因の多くは発信側にあると考えています。
読み手が文字を読んでいない場合それは問題かもしれないですが、文章を読む労力をなるべく下げてあげる配慮も発信側に求められるものだと思います。

よく言われるのは「読み手はエスパーではない」ということ。
読み手はただの人間であり、自分がテキストを書いたとおりに受け取ります。
(テキストコミュニケーションに限りませんが、)察してもらおうとするのは、相手に期待して勝手に裏切られることにつながるのでオススメできません。

誤解を減らすためには発信者と読者の協力が不可欠

意思疎通には両者の労力が必要であり、どちらかがサボればその分もう片方が頑張らなければいけない

と考えています。

つまり、推敲せずに楽してメッセージを送ることは、意思疎通に必要な労力を読者側に強いることになるということ。
逆に発信者に思いやりを持たずに読んでも、意思疎通はちゃんとできないということでもあります。

そしてこのときに、発信者側が頑張ると

  • 読者が楽できる

  • 読者が誤解しにくいため確認のやりとり回数が減り、両者とも楽できる

  • そのメッセージを後から読み返すときにみんなが楽できる

といったメリットがあります。

忙しくてメッセージの推敲に時間を避けないという人は多いと思いますが、それが巡り巡ってより時間を失うことに繋がるのではということは声を大にして言いたい!!

情報の誤解を生まないために

ここからは、情報の誤解を生まないために具体的にできることを挙げていきます。

①修飾する言葉を近くに置く

日本語の基本みたいなものですがとても難しいです。

例文に

頭が赤い魚を食べる猫

https://twitter.com/nakamurakihiro/status/1230798247989366784?s=20&t=zFE5LOmxHsprD5jFqDeVuA

というものがあります。

この文章を見てみなさんはどのような絵を想像されましたか?
解釈の仕方は多岐に渡ります。

なんか怖い。。

https://twitter.com/nakamurakihiro/status/1230798247989366784?s=20&t=zFE5LOmxHsprD5jFqDeVuA

「頭が」と「赤い」がそれぞれ何を指すのかで分岐しますが、最も近くに書かれた言葉を修飾すると捉えると、②番目のが自然だと思います。

それぞれ、言葉の位置を調整すると正確に伝わりやすくできます。

①魚を食べる頭が赤い猫

まだまだ誤解の余地はありますが…
「頭の赤い猫が魚を食べる」のようにしてもよかったら簡単ですね。

②頭が赤い魚を食べる猫(原文)

③赤い魚を頭で食べる猫

④赤い魚を食べる猫が頭

猫が頭「の何」なのかが気になります

⑤魚を食べる赤い猫が頭

ビジネスシーンのコミュニケーションでも同じような文章はよくあります。それぞれの言葉がどの言葉を修飾しているのかが分かりにくい文書を避けるには、対象となる言葉を近くに置くようにするのがいいでしょう。


②伝わる言葉に翻訳する

口頭のコミュニケーションにも共通して言えることですが、専門用語や横文字をなるべく避けようというものです。

どうしても使わざるを得ないシチュエーションはありますが、、なるべく使わないほうがいいことが多いと自分は考えています。
(同業者同士の会話は例外で、積極的に使ったほうが話が早かったりします。)

あまり理解していない言葉を使うときは、「〇〇(?)」のように表記してよく分かっていないことを伝えておくと誤解を減らすことができたりします。

横文字は特に使うメリットが少ないです。
口頭でもそうですが、そのメッセージを受け取り得る人全員が同じ意味で認識している言葉でなければ、使えば使うほど誤解が生まれるリスクが上がります。
また、雰囲気がそれっぽいので、「多分大丈夫」といった状態を生みやすく、それはプロジェクトにとって危険因子にしかなりません。

同じように、なるべく具体的に書くということも誤解を減らすことに繋がるでしょう。


③質問には明確に回答する / 回答しやすい質問をする

テキストコミュニケーションの最も難しいポイントの一つに質問/回答があります。

「質問には明確に回答する」はそのままですが、メッセージ内にある質問文にはすべてに対して明確に回答しようというものです。

的外れな質問だったとしても、それをスルーすると結局質問した側は何もよく分からないままで、下手したらもう一度同じ質問をしなければいけません。
複数の質問が含まれるメッセージであれば、それぞれに対して明確に回答をする必要があります。
これができないと、コミュニケーションが進まないケースもあるので、結構大事なやつです。

次に「回答しやすい質問をする」について。
こっちは質問する側の努力ポイントになります。
例えば、なるべく「はい/いいえ」で答えやすい質問にしたり、質問の背景や最終的に果たすべき課題の説明を加えたりすることで、回答者の理解をサポートすることが出来ます。


④文字数を少なくする

最後に、言葉ダイエットについて。

文章量の多いメッセージは読む気が起きにくく、その結果誤解が生まれやすくなります。
内容によっては避けられないこともありますが、そんなときでも特に気にしたいのが言葉ダイエットです。

文字は1文字でも少ないほうが読み手は楽出来るため、結果的に正確に情報が伝わりやすくなります。

具体的なやり方はこちらの記事が参考になりました。


⑤ 推敲あるのみ

あとはとにかく時間をかけて書いたメッセージを読み返すことです。
「この文章に誤解されうる箇所はないか」という視点で何度も読み返すと怪しい箇所が結構出てくるものです。

この作業はめんどくさいですが、相手の時間を奪わないための思いやりだと思います。ここで自分が楽をするとその分相手が大変になります。

以上が情報の誤解を生まないためにできることについてでした。

感情の誤解を生まないために

続いて、感情の誤解を生まないためにできることについて。
自分はこっちが苦手なので色々教えてほしいのですが、現状気をつけていることを書きます。

①文章は冷たくなることを自覚する

一番多い感情の誤解は、「テキスト上だと冷たく感じる」「怒ってるっぽい」という類のものだと思います。

口頭だと垣間見えていた人間性も文章だと基本的に消えます。
その分、少しでも柔らかく、怒っていないように見える文章を書くように努力する必要があり、そのためには、文章だと冷たく思われるということを自覚しなければ難しいです。

この対策として末尾に「!」を付けている人は多いと思います。
でも全部を「!」にするとなんかおバカっぽいのでちょっと減らしたり、、なんてことをするのは面倒ですが、それでも全部「。」の文章よりかは読む人の気持ちを和らげてると思います。(人によりそうですが)

②察してもらおうとしない

先述もしましたが、察してもらおうとするのは本当によくないです。

感情的になるべきかどうかは置いておいて、自分がどういう気持ちで、相手に何を期待しているのかは明確に伝えないとまず理解されません。

普段からちゃんと伝えるようにしないと、変に深読みされたりしてこじれることもあります。
逆にストレートに感情を伝えるようにすると、意外といろんなことがスムーズになったりもします。


読者の心得

ここまで発信側にできることを考えてきましたが、逆に読者にできることは何があるでしょうか。
まずは文章をちゃんと読むことだと思いますが、自分は次のことが最も大事だと思います。

誰もあなたを攻撃しようとしていない

上述の「感情の誤解」とも似ていますが、文章に書かれていないネガティブな情報を勝手に想像してしまうようなことに気をつけましょうというものです。

注意や指摘に対して自分の人間性を否定されているように感じたり、怒っているのではないかと想像したりすることは、精神をすり減らすだけでなく、卑屈なコミュニケーションに繋がります。

言葉は言葉のまま受け取るだけです。
(だいたいの場合)発信者はあなたを攻撃するつもりがありません。
逆にあなたのことを大事に想ってくれているくらいに想像したほうが色々スムーズになります。

ニュースやSNS等に対しても同様に過敏に反応してしまう人は最近増えているようですが、よく似た現象だと思っています。


より公平なコミュニケーションのために

最後に、より公平なコミュニケーションのためにと題して、些細なことですが、自分が気をつけてることを紹介して終わりにします。

1. 自分のための言葉は消す

簡単に言うと言い訳をしないということ。
直接的な言い訳をする人は少ないと思いますが、間接的な言い訳をする人は結構多いです。

例えば締め切りに間に合わなかったときに

「他の案件で切羽詰まってて遅れました」

みたいな。

それを送っていいのは、読み手がその他の案件を切羽詰まらせた原因の張本人のときだけです。

気をつけないとメッセージの中のどこかに、自分を擁護するための言葉は入りがちです。

「自分は悪くない。許してほしい」ではなく、「すべて自分が悪いですごめんなさい」をベースにできるように、普段から立ちふるまうようにしたい。

あと個人的には「失念」のような言い回しも避けています。
「忘れてしまった」よりもちょっと格好良くて、なんだか自分の急所を隠してるようで。
自分がミスしたときは自分の急所をさらけ出して全力で殴ってもらえる状態にしたい。

2. 依頼する/されるときの作法

これはあまり共感してもらえないかもしれませんが、、

例えば依頼してる側が

「〇〇で大丈夫です。」

というやつ。

「〇〇で大丈夫」っていうと、「本当はああしたいけど、そちらの事情を考慮してこの方法で身を引きますよ」っていうふうに見えてしまうんですよね。。

これは一重に日本語の「大丈夫」という言葉の欠陥だと思います。
どういうニュアンスなのかが日本人にも分かりにくいので、「大丈夫」という言葉をビジネスシーンで使うこと自体、結構気をつけたほうがいいかもしれません。

たまに自分も言ってしまうことがありますが、「〇〇で大丈夫です。。いや、〇〇がいいです!」と言い直すようにしています。

依頼される側は「大丈夫」を誤解なく使える場面が多いですが、「やってもいいですよ」っていうニュアンスが乗ってしまうときがあります。

なるべく「いいですね。是非やりましょう。」みたいなノリの回答ができると、より依頼する側/される側の垣根がなくなっていいと思います。


3. 不用意な責任を与えない

これも「大丈夫」についてですが、

「〇〇で大丈夫ですか?」
「〇〇という認識で大丈夫ですか?」

みたいな聞き方をすると、回答する側は大丈夫という発言を求められてしまいなんだか重たい質問になります。責任を与える発言と言えます。

マネージャーに対しての質問であれば悪くないかもしれませんが、

「〇〇という認識で合ってますか?」

みたいな聞き方にすると、シンプルな事実確認になり、回答者は少しは木が楽になると思います。




以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?