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アーユルヴェーダの定義と理解


生命科学

多くのウェブサイトでは、アーユルヴェーダの標準的な定義を提供しています。彼らはアーユルヴェーダを「人生の科学」または「人生の知識」と定義し、トリドーシャ等の根本的な考えを提供しています。 しかし、これらはアーユルヴェーダを理解し受ける為の十分な答えではないかもしれません。

アーユルヴェーダを理解するには、”心”と”体”を理解することは言うに及ばずですが、アーユルヴェーダを、誰が、どこで、なぜアーユルヴェーダが必要だったのか、予防医学というけれど古代の文献では外科的治療をしています。そんな矛盾だらけのアーユルヴェーダってなんだろう?

哲学と医学

やはり、ヒンドゥー教の4つの重要な聖典の随所に書かれているアーユルヴェーダは哲学抜きでは語れないと思います。最近どうですか?『基礎疾患はありますけど検査数値は安定していて、おかげ様で健康です』という、病気なのに健康だという極めて矛盾したやり取りが続きます。

薬で数値を一定にされていて『良好ですね、このまま続けましょう』って、それ騙されてません? 全然良くないですよ、病気ですよそれw ここで登場するのが、心と体のバランスを調整するのが得意でユニークな施術のアーユルヴェーダ療法です。

この後は、SADUも登場して、アーユルヴェーダの定義と、8種類の利点についてです。病気なのに健康です!という矛盾も一気に解決できたかもしれませんし、できなかったかもしれません。


インドの伝統医学と精神世界

・自己治癒力の科学
アーユルヴェーダは、何よりもまず自己治癒の科学です。アーユルヴェーダによると、健康な人はより健康に、病気の人は病気を治す為の知識と方法を提供してくれます。

・治療よりも予防
アーユルヴェーダは「治療よりも予防」を重視した医療システムです。それは、基本的に病気の予防に関わっており、健康で過ごせるからこそ、健康に伴う喜び、幸福、内なる自由を経験することができます。

・インドの伝統医学
ここに興味深い話があります。古代インドの初期の「賢者」達は、健康は本質的に、私たちが自然とその周期とどれだけ調和しているかによって決まると考えていました。アーユルヴェーダはインドの伝統医学の一形態であり、何千年にも渡って私たちは自然とともに成長してきました。

・世界最古の生きたヘルスケアシステム
アーユルヴェーダでは、人体を木に譬えます。頭を根、胴を幹、手足を枝、根から先端まで流れを良くすることは木の成長に欠かせません。ある賢者から別の賢者に口頭で伝えられ、日常生活で実践されていたためアーユルヴェーダの木は 5,000年間にわたってインドの土壌にしっかりと根付き守られてきました。

この生きた伝統はそれが単なる流行や傾向ではなく、信頼できる包括的で効果的な心と身体の医療システムであることをさらに証明しています。

・心、体、環境の一体性
アーユルヴェーダは真の意味での「ホリスティック」な健康法です。それは、心、身体、環境を 1 つの統合された相互作用システムとして認識し扱います。

これは、心が身体に影響を与え、身体が心に影響を与え、私たちが暮らす環境が身体と心の両方に影響を与えることを意味します。

どちらか一方だけを論じることはできません。これは、外界(環境)にある火、空気、水、土、空間といった要素が、私たちの内なる世界(身体と心)にも存在するからです。

・毒素:病気の根本原因
アーユルヴェーダでは、すべての病気の根本原因は「アマ」だと考えられています。これは、毒素または未消化物を意味するサンスクリット語です。アマは、特定の食品を消化できないこと、食品をエネルギーに変換できないこと、および燃料として食品を燃焼させた後の残留物を排泄または排出できないことから生じます。

・自分らしくあり続けるために
先に述べたように、アーユルヴェーダは病気の予防に非常に重点を置いています。したがって、アーユルヴェーダは、生活のほぼすべての側面について広範な指針を提供しています。

この古代の普遍的なヘルスケア システム「アーユルヴェーダ」を正しく理解し学ぶことは、心と体を知ることに繋がります。ここで重要になってくるのが心(精神)の問題です。アーユルヴェーダが他の伝統医療や現代医学と大きく異なる点は、宗教観/哲学的要素を含むということです。

宗教とは、少し乱暴にいうと「人間らしく生きるための指針」です。哲学とは、宇宙の根本原理に基づいて考えられた考え方です。

・バランスの回復
アーユルヴェーダはバランスを回復し維持するためのシステムです。
パランスが壊れると病気になると考えられています。アーユルヴェーダでは、栄養の不均衡、エネルギーの不均衡、さらには精神の不均衡が、私たちの健康と密接に関係しているとされています。

アーユルヴェーダでは、すべての人は3つのエネルギー体質、3つのエネルギーシステムで構成されています。ヴァータ(空間と動きの原理)、ピタ(変換の原理)、カパ(物質、安定性、流動性の原理)です。この3つのエネルギーのバランスを整える必要があります。

アーユルヴェーダに関する文献には、不均衡の主な原因に関する情報が十分に記載されており、生活習慣を調整してバランスを高めることができます。アーユルヴェーダを日々の生活に上手に取り入れ、ヘルスプロモーションにお役立てください。

病気の原因と健康の定義

身体的、精神的、社会活動のバランスを重視しているアーユルヴェーダによれば、人体は 7 つのダートゥ (体組織)、3 つのアーハル マーラ (食物から排出される老廃物)、3 つの生理的ドーシャ (ヴァータ、ピッタ、カパ)、3 つの心理的グナ (サトグン、ラジョグン、タモグン) で構成されています。これらのバランスが壊れると健康を害するといわれています。

一般的にアーユルヴェーダは身体的、精神的健康を維持する事を目的とした予防医学で、世界三大伝統医療のひとつとしてWHOにも認定されています。主な健康目的は、個人で出来る生活習慣病の予防など健康課題に取り組み、健康寿命の延伸を図り生活の質の向上を目指した取組が求められています。

WHO憲章:健康の定義

健康とは、単に無病や病気に強いという状態ではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であることです。

具体的な8種類の目標

  1. 今よりも生活の質を向上させる

  2. 自分に合ったライフスタイルの再発見

  3. 健康的なダイエット

  4. 睡眠の質を上げて健康管理

  5. 運動習慣で老化プロセスを遅らせる

  6. アーユルヴェーダが重視する解毒

  7. 痛みを和らげる工夫をする

  8. 習慣化で病気予防


The 8 branches of Ayurveda(Ashtanga)

アーユルヴェーダ8科目
カヤ チキツァ (内科、一般医学)
バアラ チキツァ (小児科/子供の治療)
グラハ チキツァ (悪魔学/心理学)
ウルドヴァンガ チキツァ (鎖骨より上の病気の治療)
シャリア チキツァ (外科)
ダムストラ チキツァ (毒物学)
ジャラ チキツァ (ラサーヤナ) (老年医学、若返り)
ヴルシャ チキツァ (媚薬療法、男性科)




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