重川 亮(探偵)

総合探偵社フォーチュン広島の代表者です。 自己紹介代わりに、過去に雑誌(日本評論社)や…

重川 亮(探偵)

総合探偵社フォーチュン広島の代表者です。 自己紹介代わりに、過去に雑誌(日本評論社)やフリーペーパー等に寄稿したエッセイを掲載しています。 https://www.e-soudan.net/ https://www.bengo4.com/c_18/n_6761/

最近の記事

「集団ストーカーを撃退」「電磁波攻撃の対策」統合失調症患者をカモにする悪質な探偵や業者たち

弁護士ドットコムニュースに再度掲載されました(Yahoo!ニュースにも掲載) https://www.bengo4.com/c_1009/n_16197/ 「盗聴されている」「電磁波攻撃を受けている」「集団ストーカーの被害に遭っている」。幻覚や幻聴が特徴的な精神疾患・統合失調症を患った人たちがそんな相談を探偵会社に持ちかけ、何十万円、何百万円という法外な料金をとられて「カモ」にされるケースが多発している――。 弁護士ドットコムニュースで2017年10月8日に配信された拙記

    • RCC中国放送「イマナマ!」にて取材を受けました。

      RCC中国放送「イマナマ!」にて取材を受けました。 2022年11月11日(金)    2022年11月に東京都渋谷区の探偵会社の代表者と元従業員が準詐欺罪で逮捕されました。 依頼者の男女から「電磁波攻撃を受けている」などと相談を受け、2人の判断能力が低下していることを知りながら契約を行い、約80万円をだまし取った疑いが持たれています。 同様の手口で215人かた約1億3000万円の調査費用を騙し取ったとみられています。 代表・重川はそのような悪質探偵社に騙されないように20

      • 最愛の娘を捨てた父親の優しい嘘

        探偵の仕事は依頼者が知りたい事実を調べることだ。 調査結果をまとめた報告書は裁判の重要な証拠となり、また依頼者の人生を大きく左右することもあるので、決して脚色を加えたりしない。それがどんな辛い事実だとしても、見たこと聞いたことをありのままに報告する。 「生き別れた父を捜してください!」 兵庫県から来られたM子さん(31歳女性)は救いをもとめるような目で依頼内容を語り始めた。 「あたしが小学校に入学する前に両親が離婚しました。あたしは母に引き取られ、それまで住んでいた広島か

        • カミングアウトと、失踪と、不器用な愛の話

          「5年前に失踪した息子から、昨日手紙が届きました」 面談に来られた女性(60歳:以下、母親)はそう切り出すと、大事そうに持っていた手紙を渡してくれた。 『お父さん、お母さん。お元気でしょうか?長い間、連絡をせずにごめんなさい。僕は元気です。実はコロナの影響で生活が苦しくて困っています。申し訳ないのですが、50万円ほど送金してくれませんか?(中略)この口座にお願いします。〇〇銀行 口座番号〇〇 口座名義ワタナベ ユウタ』 「息子さんからのお手紙で間違いありませんか?」 「はい

        「集団ストーカーを撃退」「電磁波攻撃の対策」統合失調症患者をカモにする悪質な探偵や業者たち

          2022年4月5日 朝日新聞で弊社の統合失調症ケア活動が紹介されました。

          ■探偵業 悪質ネット広告「電磁波攻撃の嫌がらせ解決」幻覚に悩む人狙い高額請求 「電磁波攻撃による嫌がらせを解決します」といったネット広告を通じ、消費者トラブルに発展する事態が相次いでいる。広告主の多くは探偵業者で、幻覚や妄想に悩む人が狙われている。非科学的な調査結果を示して報酬を求めた例もあり、国民生活センターにも相談が寄せられている。 探偵業界内でも対策が必要との声が上がる。 (大山稜) 検索サイトに「電磁波攻撃」「探偵」といった検索語を入れると、「電磁波攻撃を受けて

          2022年4月5日 朝日新聞で弊社の統合失調症ケア活動が紹介されました。

          突然失踪したご主人を捜した話

          -何もかも嫌になった!全て捨ててどこかに逃げたい!- 生きていく中で上手くいかないとき、辛いとき、苦しいとき、逃げ出したいと思ったことは誰にでもあるだろう。 探偵の業務に「人捜し」がある。失踪人・行方不明者など探偵社によって表記が違うが、ようは家出人を捜し出す調査のことだ。 依頼は家出人の家族からが原則。そして警察署の生活安全部に「行方不明者届」を届け出てもらうのも条件としている。たとえ家出人の彼氏・彼女だとしても依頼は受けない。恋人と偽ったストーカーの可能性もあるから

          突然失踪したご主人を捜した話

          ヤンキーとお墓を探した話

          午後8時過ぎ。最後の面談を終えて帰宅の準備をしていると、事務所のインターフォンが鳴った。 こんな時間に誰だ?インターフォンの画面を覗くと金髪の若い男性が映っていた。 「あの~相談に来たんですけど~」 玄関ドアを開錠すると、入ってきたのは学ラン姿の高校生だった。金髪に左耳にはピアス、着崩した学ラン姿でひと目でヤンキーと分かる。 アポイント無しの飛び込みで来る相談で依頼になるケースはほぼ無い。ましてや遅い時間に飛び込みで来る高校生の相談なんて、きっとロクなもんじゃない。っ

          ヤンキーとお墓を探した話

          娘と結婚式に潜入した話

          僕には一人娘がいる。娘はこの春、地元広島の大学を卒業して、東京で新社会人となった。寂しい気持ちもあるが、良い機会だと思う。いつまでも親元で暮らして欲しいというのは親のエゴだし、一人娘ということで溺愛していたため、一緒に住んでいたら、これからも甘やかせていただろう。 先日、娘が使っていた部屋を整理していると、娘が小学三年生のときの日記帳が出てきた。学校の課題のようで、日記の横には先生の感想が赤ペンで書かれていた。拙い文章を読みながら、こんなことがあったなぁと感慨に浸っていると

          娘と結婚式に潜入した話

          白いブラウスのストーカー

          『不倫は楽しい』そりゃそうだろう。家庭内の面倒なことを持ち込まず、疑似恋愛で愛欲を貪っているのだから。 しかし、不倫という関係は特殊なものなので、恋愛の渦中にいるときは楽しいが、お互いの感情のバランスが崩れると、トラブルに発展することも多い。どちらか一方が別れ話を切り出した場合、不倫関係を維持したいと願う相手がストーカー化して、脅迫やつきまとい行為をすることだってある。そうなると今度はストーカー問題とは別に、不倫関係が露呈して、離婚問題や慰謝料請求など、問題点がどんどん増えて

          白いブラウスのストーカー

          60年前に別れた恋人にもう一度逢いたい

          -初恋のあの人は今頃どうしているのかな- 人は誰しも、若さゆえに実らなかった想いや、伝えられなかった気持ちを心の奥底に秘めているのではないだろうか。 探偵社への依頼の一つに「連絡先が分からなくなった初恋の人と再会したい」といった『初恋の人探し調査』がある。 しかし、現在ではこのような依頼はほとんどお受けしていない。理由としては、万が一、依頼者がストーカー犯だった場合は事件になる可能性があるのと、ここ数年間で個人情報の取得が大変難しくなったので、調査方法が聞き込みで行えるもの

          60年前に別れた恋人にもう一度逢いたい

          となりのストーカー

          「こんなことをする奴は絶対に許せんので、なんとか犯人を捕まえてください!」 彼は力のこもった声でそう言うと、隣に座っている彼女の横顔に目をやった。 相談に来られたのは20代後半のカップルだった。 今にも泣きそうな顔をしている彼女(以下A子さん)は皮膚科の勤務医で、その隣で熱心に今までの経緯を説明してくれた彼(以下B男さん)はA子さんの彼氏で会社員をしている。二人はスポーツジムで知り合い、交際して3ヶ月になるらしい。A子さんも綺麗な女性だが、B男さんも細身のイケメンでお似

          となりのストーカー

          増える高齢者男性のストーカー

          今や日本は未曾有の高齢化社会である。人口における高齢者の割合が増えているのだから、トラブルを起こす高齢者が増えていても何ら不思議ではない。しかし、「高齢者男性によるストーカー事件が増えている」と言うと、何故か意外に思われる方が多い。どうも高齢者は色恋沙汰とは無縁という認識を持っている方が多いようだ。 ストーカーと聞くと、テレビドラマなどのイメージからか、好意を寄せた女性にしつこく付きまとうモテない独身男性を思い浮かべる方が多いかもしれないが、実際のストーカー犯というは別れた

          増える高齢者男性のストーカー

          盗聴器を探してほしいと頼まれたときは

          「自宅に盗聴器と盗撮カメラが仕掛けられているので捜索してほしい」 探偵社には統合失調症の方からのこのような相談は以前から多くある。 統合失調症の症状のひとつに、『誰かに監視されている、見張られているような感覚』があるので、盗聴器や盗撮カメラが自宅などに仕掛けられていると思い込み、探偵社へ相談するのだろう。 警察へ相談する方もおられるが、警察へ相談しても「盗聴・盗撮されている証拠が無いと警察は動けないので、まずは探偵社に相談してみたら」と体よく断るので、最終的には探偵社へ

          盗聴器を探してほしいと頼まれたときは

          姿なき集団ストーカー

          「明日から娘の様子を監視してくれませんか?」 日曜日の午後7時。 困り果てた表情をした初老の男性からの開口一番の言葉だった。 心配性の父親からの相談なのかと思ったが、それは早合点だった。男性(以下、Eさんと呼称)からの相談内容は予想以上に深刻な状況だった。 Eさんは13年前に妻を亡くし、その後は男手一つで一人娘を育ててきた。 娘さん(以下、K子さんと呼称)は大学卒業後は地元の銀行に就職が決まり、30歳になった最近まで父親と同居しており、片道一時間かけて電車通勤をして

          姿なき集団ストーカー

          銀色の部屋

          「集団ストーカーに命を狙われとるんじゃけど、その証拠を掴んでほしいんよ。ちょっと来てくれんかね」 電話の主は年配の女性だった。 突拍子もない電話に思うかもしれないが、弊社にはこの類の相談が月に数件はあるので、特段の驚きはない。弊社に限ったことではなく、『探偵社』には精神病と思われる方からの相談は昔から多いのだ。探偵社ならどんなトラブルでも解決してくれると思うのだろう。 普通は精神障害者からの相談は相手にしない。売り上げに繋がらないし、ヘタに関わるとトラブルに発展する可能