温暖化の影響を受けるプランクトン
Nature, Volume 444 に掲載された『Plankton in a warmer world』という文献を読みました。
興味をもったことを簡単にまとめました。
導入
Behrenfeld et al. (2016) は、およそ10年間分の衛星観測データを用いて、海洋表層温度の上昇によってバイオマスと基礎生産の減少が引き起こされたと分析した。
植物プランクトン
海洋表層で光合成を行う。
光や栄養塩などの利用可能性に依存して成長速度が決まる。
海洋循環と湧昇に依存してバイオマスの地理的分布が決まる。
海洋表層の栄養塩
表層混合層における混合によって、海洋深層から供給される。
湧昇によって、海洋深層から供給される。
陸域からの流入によって供給される。
植物プランクトンの衛星観測
クロロフィルは、植物プランクトンの主要な光合成色素である。
クロロフィルは、緑色光よりも青色光や赤色光を吸収しやすい。
海洋表層で反射した太陽光の反射波を観測する。
反射光データから、クロロフィルの地理的分布を推定し、植物プランクトンの成長速度や基礎生産を推定する。
温暖化による基礎生産への影響
温暖化による海洋表層の成層強化は、全地球的に生じるが、それによる基礎生産への影響は、緯度によって異なる。
中低緯度域
植物プランクトンの成長速度は、栄養塩の利用可能性による制約を受ける。
温暖化によって成層が強化され、鉛直混合が抑制される。
低緯度域や中緯度域では、栄養塩不足による成長速度制限が生じる。
高緯度域
植物プランクトンの成長速度は、光の利用可能性による制約を受ける。
温暖化によって成層が強化され、鉛直混合が抑制される。
温暖化による降水量増加と海氷融解によって淡水が流入し、さらに成層が強化される。
高緯度域では、光合成増加による成長速度向上が生じる。
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動け!タイムライン
動物園か水族館にいきたいですね。