オメガ3脂肪酸は加齢による難聴を予防にする可能性
Omega-3s may keep your hearing sharp という論文ニュースから。
DHAが加齢性難聴に効果がある可能性(あくまでも可能性)
オメガ3脂肪酸の一種であるドコサヘキサエン酸(=DHA)の血中濃度が高いほど、加齢に伴う聴力の問題を抱える可能性が、8%〜20%低いというデータが得られました。
この結果をもとに「DHA(もしくはオメガ3脂肪酸)が難聴予防」に効くと断定することはできません。あくまでも、DHAの血中濃度と聴力の関連性が示されただけです。もちろん、今後の研究に期待が持てる結果ではあります。
参考までに、動物モデルにおいて母体のオメガ3脂肪酸不足が、その子供の聴力発達に影響を及ぼすことが示唆されています。
DHAは魚、ナッツ、種子などの食品や魚油のサプリメントなどに含まれています。
(参考)オメガ3脂肪酸とは何か?
炭素間に二重結合を持つ脂肪酸のことを不飽和脂肪酸と呼ぶ
上図のように炭素間に二重結合を持ち飽和していない(飽和している場合は単結合ですべての炭素が水素と結合している)状態の脂肪酸を、不飽和脂肪酸と呼びます。
オメガ3脂肪酸も不飽和脂肪酸です。
メチル基側から数えて3つ目の結合が二重結合なのでオメガ3脂肪酸と呼ぶ
メチル基側(図で言うと右側から)数えて3つ目の結合が二重結合になっているのが分かると思います。
メチル基側の最初の炭素原子を「オメガ」と呼ぶので、そこから数えて最初の二重結合が3つ目なので、オメガ3と呼ばれることにになります。
二重結合を持つ不飽和脂肪酸は不安定なので代謝されやすい
肉・バター・チーズなどに多く含まれる飽和脂肪酸は単結合のみで構成されているため安定しています。安定しているので常温で固体として存在しています。
一方、不飽和脂肪酸は二重結合を持つため安定しておらず、常温で液体として存在しています。
二重結合のため酵素による酸化や反応が起きやすいため、単結合のみの飽和脂肪酸に比べて分解されやすい(エイコサノイドなどになる)傾向があります(=代謝されやすい)。
体内で活躍するオメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は体内の炎症反応の抑制、肝臓での脂質代謝の調整、HDLコレストロールの生成を促進(に関わる)などのプラスの効果があります。これにより心臓病を始めとした健康に関するリスクを低減する可能性があると言われています。
【龍成メモ】
オリーブオイルを毎日大さじ半分以上摂取している人の認知症死亡リスクは約28%低いという研究も発表されました。
オリーブオイルには一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が多く含まれています。
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