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死亡リスクを上げる食事、下げる食事

Food groups and risk of all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis of prospective studies

「健康に良い食事・悪い食事」という話をよく耳にしますが、実際にきちんと論文を読んだことがなかったので、目を通してみました。今日はその論文の紹介です。

論文中にも "We are not arguing that the consumption of the investigated food groups are per se causally related to mortality" とあるように、あくまでも多くの人が長期間摂取した場合(摂取しなかった場合)の傾向です。その点はご注意ください。

死亡リスクを低減する食べ物

全粒穀物~死亡リスク減少と最も相関がある

Food groups and risk of all-cause mortality

全粒穀物1日あたり3食分(90g/日)は摂取しない場合と比較して、死亡リスクが21%低減します。

※全粒穀物とは玄米や全粒粉のパンのことです

ナッツ類~地味に効くナッツ

Food groups and risk of all-cause mortality

ナッツ類1食分(28g/日)の摂取で約15%死亡リスクが低減。ナッツの摂取量は15~20g/日で死亡リスクが約17%減少で最適。それ以上摂取量を増やしても有益性は認められません。

また、約20g/日以上の摂取は徐々に効果が低減する傾向にあります。

野菜~安定のリスク低減効果。取りすぎリスクも見られない

Food groups and risk of all-cause mortality

死亡リスクは、野菜の摂取量を3食分(300g/日)まで増加すると、11%減少します。これ以上摂取量を増やしても効果は見られませんでした。250g/日が最適値です。

果物~健康には必須だが取りすぎに注意

Food groups and risk of all-cause mortality

死亡リスクは、果物の摂取量が約3食分(250-300g/日)まで増加すると、約10%減少しました。これ以上摂取量を増やしても効果は見られませんでした。逆に300gを超えて取りすぎると効果が低減していきます。

豆類~とればとるだけ効果が見られる

Food groups and risk of all-cause mortality

死亡リスクは、豆類の摂取量が3食分(150 g/日)まで増加すると、約16%減少しました。

魚~魚自体はカラダによいが注意も必要

Food groups and risk of all-cause mortality

魚の摂取量が2食分(200 g/日)でリスクが10%減少。魚の場合は環境汚染物質の問題もあるため、食べる量や魚の種類、そして頻度について注意が必要と、論文では警告しています。

死亡リスクが増加する食べ物

赤身肉~みんな大好き焼肉も少し注意

Food groups and risk of all-cause mortality

赤身肉は1日の摂取量が1食分(100g/日)増えるごとに死亡リスクも増加していきます。

加工肉~美味しいんだけどNo.1ハイリスク

Food groups and risk of all-cause mortality

加工肉の摂取量が200g/日まで増加すると、死亡のリスクは約60%まで増加します。

卵~意外なリスクPlayer

Food groups and risk of all-cause mortality

卵の摂取量が1食の摂取量の少し上ぐらい(約60g/日)だと、死亡率は約10%増加します。論文では卵の1食あたりの摂取量を50gとしてます。50gだとスーパーのMサイズと同じ量ですLサイズだと60gになります。

砂糖入り飲料

Food groups and risk of all-cause mortality

摂取量が1食分(250mL/日)まで増加すると、死亡のリスクは約7%増加します。

関係性が微妙なグループ

乳製品

Food groups and risk of all-cause mortality

乳製品の摂取量が少ない(200g/日ぐらいまで)と死亡リスクが低下し、摂取量が多い(約400g/日以上)とリスクが上昇することが示されました。

精製された穀物

Food groups and risk of all-cause mortality

精製穀物は、摂取量の最も少ないカテゴリーと最も多いカテゴリーの比較からは関連が得られませんでした。

健康な食事の組み合わせは死亡リスクを56%減少、逆に不健康な組み合わせは死亡リスクが2倍に

彼らの解析では、以下のような食品摂取のセットによって、死亡リスクが減少もしくは増加します。あくまでも参考値としてご覧ください。

(参考値)健康セットは死亡リスクが56%減

リスクを低下させる食品、全粒粉3食(90g/日)、野菜3食分(300g/日)、果物3食分(300g/日)、ナッツ1食分(28g/日)、豆類1食分(50g/日)および魚2食分(200g/日)を最適に摂取すると、摂取しない場合に比べて56%死亡リスクが減少する。

(参考値)不健康セットだと死亡リスクが2倍に

リスクを高める食品、赤身肉 約2食分(170g/日)、加工肉 約2.4食分(120g/日)、卵 約1食分(55g/日)、砂糖入り飲料 1食分(250 mL/日)を食べ続けると、食べない場合に比べて2倍死亡リスクが増加する。

【龍成メモ】

私は肉が食べれないと困る…ということはないので、赤身肉はほどほどにという感じで行きたいと思います。

がしかし、ベーコンやソーセージは本来は大好物なので辛いところです。硝酸塩や亜硝酸塩が悪いというデータもあるので、これらを含まないソーセージを食べたらいいんでしょうか。

と言っても、飲み屋で出てくるあの美味しいソーセージ。注文の時に「亜硝酸塩入ってますか?」とは聞けないので、まあ、これもほどほどに食べていきましょう(笑)

写真はhigorhsaさんから

#健康に良い食べ物 #健康に悪い食べ物 #玄米 #加工肉


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