ホラーが好きだからって怖くないと思うなよ【日記】
実は久し振りに企画に参加しようと思っています。池松潤さんの恋愛小説をリライトする企画で、約一年ぶりに本文の長さと同じくらいの自作解題まで入れました(応募要項に入れて欲しいとの文章があったので)。手直しはまだしますが、内容自体は実はもうすでに完成しています。正直自作解題を読み返しながら、恥ずかしさで打ち震えています。
過去作紹介をはじめてから、ふと頭に浮かぶのが「たったひとつしかnoteに記事を残せないとしたら、何を残すのだろうか?」ということ。もっともアクセス数の多い記事、多くのひとから感想を頂いた記事、誰かとコラボするような形でできた記事、純粋に思い入れが残っている記事……色々な記事がありましたが、悩んで悩んだ結果、ホラーを選択するのではないか、という気がします。
ホラー好きで、特にホラーを書いてきたので。
あなたはホラーは好きですか?
たまに「私、怖いの嫌いなんだ。えっ、怖くないの?」みたいに言われることもあったりします。なぜホラー好きが怖くない、と決めつけられるのでしょうか。怖くないひともいるでしょう。だけど私はホラー好きの怖がりで、恐怖をその身に感じたくて、ホラーを読んだり観たりするわけで、好きだからって怖くないと思うなよ、とか思ったりしたりもするわけです。
他にもホラー好き、ということで、いくつか私自身が言われたことで、他のひともよく言われている、と聞いたことがあるものに関しての私見もこの機会に述べておこう、と思います。
私は言われてもあまり気にならず過ごせるタイプではありますが、他人に(すくなくとも親しくない相手には)言わないほうがいい言葉だ、と先に添えておきます。恋愛小説が好きなひとに色々なひとがいるように、ホラー小説好きにも色々なひとがいて、色々な考えがあります。十把一絡げにしないのも大事ですよ。
・「幽霊っていると思う? もしかして視えるとか?」
これは以前とある小説に書いたのですが、すくなくとも私はいるかいないか分からないから面白くて、どっちかはっきりしたらそれは詰まらないなぁ、と思ってしまいます。よく分からないもの、ってやっぱり怖いわけですよ。そして、視える、というのは、霊感の話なので、もし霊感を身に付けたい、と思っているのなら、ホラー小説を読んでいる場合ではありません。霊能者(あるいは霊媒師)に弟子入りするべきです。ホラー小説好きは、ただの小説好きのひとつで、専門外なんです。
・「実はやばい本性を隠しているのでは?」
これに関しては自分を、普通の人間とか、人間性に問題があるとか、声高に言うつもりはありません。自分から見た自分と他人から見た自分が違っている可能性だってあります。ただひとつ言えるのは、どこの分野、ジャンルでも、良い人が悪い人がいる。ホラーだけが特別なんてことはないわけです。それをホラーだけ粒立てるのは、なんだかなぁ、と思うわけです。
などなど本題を前にぼんやりと考えた、とりとめのない日記はここまでにして、今回の過去作紹介第三弾はホラーです。ちょっと長めのやつを三つ紹介します。
正直どれにしようかな、と悩みましたが、この三つが自分の思う〈自分っぽい〉ホラーなのかな、と。
「二流には分からない」
赤黒いしみに怯え続ける女性の住むマンションに訪れる真夜中の来訪者。あの日、何があったのか、をめぐるホラーミステリです。
「和泉のいる日々」
俺の殺人を妹だけが知っている。そして妹だけしか知りようのない俺の罪がある……。逃げ続けた末に、俺が見る光景は……。逃げ続ける男を待ち受ける運命に、当然、と思うひともいるかもしれませんが、私はすこし切ない気持ちになりながら書いたのを覚えています。
「私が殺した死体」
子どもの頃、私は多くのひとと同様に、死、が怖かった。少年が死について考え続けるこの作品は、もちろんフィクションですが、あの当時の思考がこの作品を創るきっかけになったことは間違いない、と思います。
「たったひとつしかnoteに記事を残せないとしたら、何を残すのだろうか?」
答えは出ましたか?
何人かに教えてもらいましたが、優れている、というだけではなく、そのひとにとって特別だ、と分かる作品ばかりで、この質問をして良かったな、と思いました。
私に決められる日は訪れるのだろうか?