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読書感想文 『傲慢と善良』

傲慢と善良 読了

「婚活」「結婚」という、我々大人からすればよく聞く、身近でロマンチックとも言えるテーマでありながら「傲慢」「善良」でずぶすぶと精神的に登場人物と読者を刺してくる。。

刺さった。
全く恋愛経験が無くても深く刺さった。
それは、「傲慢」と「善良」に心当たりがあり過ぎたせいかもしれない。


本書はジャンルとしては恋愛ミステリになるのだろうけれど、恋愛ミステリだけで括ってしまうにはあまりにもったいない小説。



序盤、傲慢なタイプにみえる架と善良なタイプにみえる真実(まみ)だが、物語が進行していくと、傲慢と善良への見え方とともに2人の見え方も変わってくる。

そして、結婚という決して小さくない選択を前に苦悩している2人を通して、自分の傲慢さと善良さを炙り出されているようで堪える。


自分はどれだけ「自分の意思」で物事を決められているだろうか。そこに傲慢さや善良さは皆無だろうか。


自分の意思を100%もっていなくても生きていける世界だからこそ読んでおくべき小説なのかもしれない。


辻村作品を紹介する時の恒例といえるかもしれない関連作で言うと、この作品を読むなら、『島はぼくらと』『青空と逃げる』を先に読んでおくのを薦める。



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