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一歩進んだ音楽理論 和声学編

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和声についてのあれこれをご紹介していきます。
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2022年12月の記事一覧

和声の学び 一歩進んだ和声学

以前簡単な音楽理論を紹介していました。 今回から一歩進んで和声学を紹介していこうと思います。 ここでは古典的な和声を紹介していきましょう。 こちらも合わせてご覧いただくとより分かりやすくなると思います。 1 和声の学びにあたって音階(スケール)の起点となる音を主音(トニック)といいます。 ここでは主音をローマ数字のIで表します。 以降上に向かってII、III、・・・と表します。 最初は3和音(トライアド)を中心として扱います。 和音というのは基本的には3度の音の積み

和音の配置 一歩進んだ和声学 Part 2

今回は実際に和音をどのように配置するかを見ていきたいと思います。 今後は4声体(パート)和声を基盤としてお話を進めていきます。 混声四部合唱や弦楽合奏など様々なジャンルに適応できるものですので、参考にしていただければ幸いです。 1 4声体先程述べた通り、今回から紹介する和声学は4声体和声をベースにして紹介していきます。 ソプラノパート、アルトパートのようにこのパートというのは日本語では声部(せいぶ)と言います。この和声学では4つの声部を使って和声というのはどういうものか

和音の配置における制約 一歩進んだ和声学 Part 3

全開で和音の配置の基礎的な部分を学びましたが、配置は完全に自由に行えるわけではなく様々な制約があります。この制約を身に着けることが和声の理解を深める第1歩となります。では見てみましょう。前回の記事と合わせてご覧いただくことをお勧めいたします。 1 2つの音の関係特定の2声部において2つの音が同時に聞こえている時、これら2つの音は同時関係にあるといいます。 例えばソプラノとバスが同時に音が鳴っている時はソプラノとバスは同時関係にあるといえます。 この和声学では基本的に4声

和音の配置における制約② 一歩進んだ和声学 Part 4

今回は同時ー継時関係における禁則を見ていきましょう。色々な制約がかけられているので、和声を学ぶについて一つの山場となっています。 前回の記事と合わせてご覧ください。 1 連続1度、連続8度2声部の同時進行において、先行音程と後続音程とが 共に完全8度(どちらか、または両方が複音程の場合も含む)の時を連続8度 共に完全1度(どちらかが完全8度の場合を含む)の時を連続1度 といいます。 連続8度、連続1度は禁じられます。 例えば4声体になった時に、このような進行をしてしまっ