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アートシェアについて

昨晩、やることがなかったので、録画した番組でも見ようと、レコーダーを起動した。録画一覧の下の方に「アートシェア2021」という番組が録画されていた。年始にやっていた番組のようで、何を思ったか知らないが、録画したまま2か月くらい放置していたので、再生ボタンを押した。

日曜美術館というNHKの番組の特別編みたいな位置づけで、気鋭の学者さんやアーティスト、芸術に精通した社長などが、自分がシェアしたいアートを紹介するという内容だった。スタジオパネラーとして、森美術館の館長さんと芦田愛菜ちゃんが出ていた。

シェアされるアートは、縄文土器から現代アートまで。見て楽しむものから、目と耳で楽しむものまで。実に幅広いものだった。普段あまり馴染みがない、現代アートについて色々知ることができて、面白かった。特にジャコメッティやマグリットの作品には惹かれるものがあり、今度実物を見たいと思った。

個人的に、この番組の1番の見どころは、あらゆるアートを差し置いて、芦田愛菜ちゃんのコメントであったと思う。基本的に、各プレゼンターがシェアしたいアートを紹介した後に、パネラーがコメントするという構成の番組である。前述のように、紹介されるアートは物凄く幅が広い。パネラーとして良いコメントをする為には、知識或いは感受性の瞬発力が必要である。

そんな難しいパネラーを芦田愛菜ちゃんは、周りの専門家と同等に。年齢や経験を加味すると、専門家以上にこなしていた。アートを見て、解説を聞いた後に、自分が感じたことを即座にコメントする。そのコメントの内容も話ぶりも素晴らしく、最後には司会者の人が「私も芦田さんと同じ考えです」的なことを言っていた。

現役の学生らしく「これは、最近授業で習ったんですけど…」と始まり、習ったことを紹介されたアートに敷衍して当てはめて、コメントする。専門家にはできないかつ視聴者に近い視点でのコメントなので、聞いててスッと入ってきた。

もう、芦田愛菜ちゃんではない。芦田愛菜さんである。調べてみると、芦田さんは16歳らしい。経験値が違うので、比較するのも烏滸がましいが、16歳の頃の自分は数学で赤点を取り、ヒーヒー言ってた。現代アートなどにコメントを求められても「あーなんかパワーを感じますね」と照れながら話すことしか出来なかっただろう。

僕はアートに触れるかのような態度で、芦田さんのコメントを聞いていた。



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