似ている有名人について

初対面の人との飲み会で盛り上がる話題のネタの1つとして「似ている有名人」話がある。

大抵、僕は自分から仕掛ける。「○○さんって有名人の○○に似てるよね！」と切り出す。この時のチョイスには、かなり気を遣う。相手が不快にならないかつ慇懃無礼でないレベル感を狙いに行く。そうすると大抵、演技派女優・男優に行き着く。

その話題を振ると、必ずと言っていいほど、例えの返球が返ってくる。過去に例えられたことのある人をざっくり集計を取ってみると、ものの見事に何人かに絞られる。以下に似ていると言われる有名人ランキングを記す。

1位：千鳥ノブ（芸人）　　　　　　　　　　　　2位：大久保嘉人（サッカー選手）　　　　　　　3位：小室圭（会社員？）　　　　　　　　　　　

まぁ他の皆様方も、かなり気を遣ったチョイスをしていることが伺える。（ちなみに小室さんに関しては、メディアを賑わせる前の話だ）どの方も僕の顔の系統の上位互換である。

この話題で上げる有名人は、場の全員が共感出来なければならない。急に「地下アイドルの○○に似てるね」などと言った日には、その日を境にメデューサというあだ名が付くことだろう。逆に流行りのCMなんかを取り上げて「あのCMの人に似てるね」なんて言って共感が得られれば、それは要件を満たした最適解であるとも言える。

思えば、僕が初めて有名人に例えられたのは、　小学生の時であった。担任の先生から「ゴルファーの丸山茂樹に似てるね」と言われた。小学生からは何とも共感が得づらいチョイスである。言われた当の本人もイマイチピンと来なかった。これは、先述の基準に照らせば誤答である。（今思い返せば、相当似ていたのだが）

一方、高校の友達からは「大名の池田光政に似てるよな」と言われた。僕は日本史の鬼と呼ばれるほど歴史に強いので「いや、あんなおっさんじゃねぇよ」と即座に返すことができた。（側から見たら相当マニアックなやり取りだろう）これは、共感が得られたという意味では、正答なのだろう。（今思い返してみても、そんなに似てない）

似ている有名人話は、いかにその人を傷つけずにいい塩梅かつ共感を得つつ、できることなら目新しい例えをしなければならない。なんと高度で知的な営みだろう。しかもそれを酒を飲んで自ら知能を下げるというハンデを課しながら、普通に行ったりする。

やはり人間の能力は凄い。と再認識した。