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水気について

一人暮らし最大の敵は、水気である。

水回りの水垢やカビ。生乾きの洗濯物。排水溝に溜まった生ゴミなどなど。放っておくと不快に感じるもの達の原因は水気にある。

一人暮らしを始めたての頃。浴槽にいわゆるピンク汚れが現れた。実家では見た事がなく、完全なる未知との遭遇だった。

ウチは基本的にモノトーン系で家具を揃えている為、眼前に現れたパステルカラーに「あら、キレイ」なんて思ってしまった。後にその正体が、菌である事を知るやいなや、スポンジでガシガシ擦り落とした。

ほかにも、洗濯物の生乾きにはしょっちゅう悩まされている。僕はワイシャツのローテーション上、週ナカあたりで洗濯をする。夜に洗濯機を回して干し、翌日の仕事から帰った後に取り込む。

南向きで陽当たりは良いはずなのに、備え付けの物干し竿の位置が絶妙に低い。バルコニーの壁に見事に隠され、日中でも日陰干しのような感じになってしまう。

そんな環境なので、袖先や裾先、パーカーのフードあたりが乾き切らない事が多い。結局生乾きのものだけ、もう1日延長して干す。

みずみずしい食べ物は大体美味い。野菜とか果物の中に含まれる水分は、いわば「生き水」であるから、快く感じる。一方、生活で出る水分は「死に水」である。そこには流れや巡りが一切なく、端に溜まり、ジメジメや不快感を与える。

実家の頃は、生活の中にこれだけ水気が溢れていて、害を為しているとは感じたこともなかった。風呂場はいつもキレイだったし、生乾きの服を着たこともほとんどなかった。

隠された水気との戦いを母ちゃんがやってくれていたのだ。

結論:母ちゃんは偉い。

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