景色はお前をわすれないよ
平熱で海を見にいく
学校から一番近い船着き場まで5分
今日も明日も明後日も
自転車を走らせて
ずっとずっと
この瞬間を待ち望んで生きている
音楽を聴きながら
下り坂に明かりがともり始める
木の葉が安心しきった
風のない蒸し暑い日
平熱で海を見にいく
綺麗だったころの記憶がある
波に泡 とける景色 流れない時間
そのどれもが今となっては懐かしい
気づくと涙が流れている
こころは 平熱であった
岩場に少しだけの 笑い声
細い眼をして眺める
私の日々は
いや
そんなことは どうでもいい
日の光を浴びて呼吸する
路傍の草のように
生きていけたら と
そんな思いを抱いて 離して
幾月 幾月…
こころは平熱で声を聴いていた
人の声を 人の声を?
雲がさらっていく
あの雲の暗い部分
何人も 吸い込まれていったのであろう
風の歌が聴こえない
空は真っ赤にしおれていく
風の歌が聴こえない
体育館の裏 男女が踊る
こころは…
夕暮れの街をのぼっていく
照らされる街の影に目をやり
こころはいつも平熱であった
酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。