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てのひらの湖畔にて

湖面は葉が落ちるのを見ていた
時に落ちたそれを受け入れていた
抱くわけでなく
と言って無関心でもなく

水を揺らした葉を
底から魚たちが眺めており
餌でも付いていたか
月明かりに鱗を光らせた

あまりに明るい夜だったから
あまりに明るい夜だったので
翡翠の羽の鳥は羽ばたく
水はまた揺れなければならなかった

水の揺れはまた
パートナーと寄り添う
牡鹿を目覚めさせた
何しろ水が揺れるものだから

蟻の隊列が乱れる
夜通しの奮闘は
大した成果も出なかったから
せめて真っ直ぐに行進させてほしい

とか

とかなんとかは

思ってないだろうね
それはそうだよ
それはそうだ
それは
それは
湖畔でキャンプしていた
(テントを張るのに苦労したんだ)
僕が紡ぐ話であって


たとえそれが本当だとして
靴べらくらいの
存在感でしかない
存在感などない

ちゃんちゃん
ちゃんちゃん

(けれどもやっぱり、あるのだろうね、どこかでは)

ちゃん、ちゃん

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。