見出し画像

「伴走」 / 詩





日々の時の流れが

懐中からこぼれ落ちる砂子のようで

季節のうつろいのなか

泳ぐように漂っている





ささやかなる地層のように暮らし

草木を愛で 水辺を歩む

また風雨で折れた花や枝を生け

芹を刻み 卵を炒る









磁力にも似た気配に 立ちくらむ

見上げると 日輪のまなざし

椋鳥のつぶやきが世界を揺らし

大気のなかに動きを読む


(嗚呼、空が騒がしいなァ)


花はただ 季節と伴走している