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読書感想文的な28『チルドレン』伊坂 幸太郎

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

旅のお供に購入した文庫本。
読むのは2回目。
初めて読んだのは5年くらい前で、読書アプリのメモには「陣内最高」とだけ書かれていた。
今回読んだ後も「陣内最高」って思った。
つまり陣内が最高な話。

よっ、これぞ伊坂幸太郎!!と思いながら読んだ。

「何気ない日常に起こった5つの物語」の中に、銀行強盗やらなんやらが紛れ込んでるの、全然日常じゃないやん。でもなんでか読んでると日常の光景に感じられるから不思議。
日常に近くにいるとしたらまじでやばい奴なのに、どうしてだか最高って思ってしまう陣内の不思議。

どの短編も陣内の目線で語られることはなく、周囲の人々から見た陣内の話になっている。その周囲の人々は苛立ったり戸惑ったりしながら陣内を見てる。わたしも一緒に戸惑いながら陣内を見てる。なんだ、こいつ?って。

どうして陣内は最高なんだろう。
羨ましいのかもしれない。その奔放さとか。
まぁ周囲の人に言わせれば、わたしもたいがい奔放だろうけど。
奔放さに奇跡というおまけが付くから羨ましいのかな。
陣内が巻き起こしたいろいろの結果を奇跡と呼ぶと大袈裟だと感じるけど、じゃあなんなのかって聞かれたら、それはやっぱり奇跡なんだよなぁ。
自分の正義を貫いて誰かを助けられたなら、それはもう奇跡ということにしとこう。

旅のお供に選んで正解だったと思う。
陣内の物語を読んだら、いいことがあった気分になる。
ちょっとラッキーみたいな気持ちで旅ができるの、なんかいい。



なんでベンチの画像をお借りしたかというと、俺の失恋で時が止まったと言い張る陣内が好きだから。

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