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夢のあとに

銀の翼が舞い降りて 水晶の砂を照らす
黒い波間に見えるもの それは僕のたましい
夏の日の去るよりも早く 若き夢は過ぎ去る
幸せな夜よりも早く 若き夢は過ぎ去る

やわらかな桜色の道 ほのかに香る若葉
輝く未来に見えるもの それは今ここの僕
うたかたの虹の消えるより早く 若き夢は過ぎ去る
賑やかな夜よりも早く 若き夢は過ぎ去る

木の葉もいつかは枯れ 花びらも地に落ち
星も落ち月も落ち 夜もすぐに去り
陽は昇りまた落ち 寄せては返す波のよう
そうしてずっとこの星は 回り続けてきた
僕のたましいはこの星の 僅かな埃のかけら
吹けば飛ぶ枯れ葉のように 夢はすぐに去る

めざめろ 僕のたましい
黄色い太陽のもとで
野へ 山へ 駆け出せ
空高く飛び上がれ
雲を突き抜け 大地を下に見て
叫ぶんだ 今すぐ

これは 夢なんかじゃないって

夢を見ている・・・


夢を見ている・・・

1999

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