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最近自分が好んで使っているフィルムシミュレーションのレタッチを公開します -ETERNA- #1

こんにちは、りょんりょんです。

先日YouTubeのコメントでこんな嬉しいお言葉をいただきました。

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嬉しいですね。写真が好きですと言ってもらえることは純粋に励みになりますし「よっしゃ動画作ったるで」って気持ちになります(単純)。

私は普段写真の編集にAdobeのLightroomを使用しているのですが、実際今までレタッチnoteを書いたりレタッチ動画を公開したりしたことはありませんでした。
ただ別に隠しているわけでもないので、今回は最近ハマっているレタッチについてお話ししようと思います。
使用するプロファイルがETERNAというフィルムシミュレーションなので、FUJIFILMを使っている人しか使えない部分もあるのは申し訳ないですが、参考までに使えるところはないか読んでくださると幸いです。

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- ETERNAとは -

そもそもETERNAとは何なのかというと、FUJIFILMのカメラプロファイルであるフィルムシミュレーションに収録されているものの1つです。元になっているのは映画用フィルムのプロダクトネームです。

映画フィルムというだけあってシネマチックな表現ができるようになっています。
特徴は”低彩度”と”低コントラスト”。
通常よりも落ち着いた色のトーンは渋さを感じさせます。またハイライトとシャドウが柔らかく、優しい階調表現になります。
シネマライクなだけあって写真比率16:9がよく合いますね。

スタンダードなPROVIAと比べるとその差が大きく感じられるので、初めてカメラで設定する時には驚くと思いますが、実際にETERNAに設定して撮影してみても面白いかもしれません。

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- How to edit -

まず前提として私のレタッチはそのフィルムシミュレーションの特徴をぶっ壊す傾向があるようです。頭がおかしいですね。
「特徴ぶっ壊してやるぜ」って気持ちは一切ないのですが、今まで作ったプリセットのいくつかが特徴ぶっ壊し傾向にありました。なぜかは分かりません。
とはいえ全ての特徴を消し去ってるわけでもなく、自分が好きだなという表現は生きるようにしています。
あくまで参考程度に留めて聞いてもらえたらいいかなと思います。

1.コントラストを上げる

ETERNAを使う際、私はコントラストを上げるようにしています。理由はコントラストが低いからです。頭がおかしいですね(2回目)。
コントラストはだいたい+20〜+40の範囲で調整しています。+40超えてくると写真によってはキツくなり過ぎる場合があるので注意が必要です。

試してもらったら分かるのですが、ETERNAを当ててコントラストをある程度上げてもハイライトやシャドウの階調が残りやすく、かつコントラストの高さも表現してくれます。ETERNAを当てるとトーンカーブのシャドウ(ハイライト)が持ち上がった(下がった)かのような、シャドウとハイライトが霞掛かったように見えるのですが、コントラストを高めると霞が軽減され、ちょうどいい塩梅に収まります。

こうすることで低彩度の落ち着いた発色・雰囲気でありながら、ハイライトとシャドウがはっきりとした燻し銀な仕上がりになります。渋いですねぇ。

2.彩度を少し上げる

これは場合によります。「コントラストを上げたけどもう一押しインパクトがほしい・・・」とか、「カラー要素が写真に集まっていてもう少しカラーの色をはっきりさせたい・・・」という時には、自然な彩度と彩度を+5〜+20くらいで調整してみましょう。
一部の色だけ調整したい時はカラーミキサーで調整してもいいかもですね。

そもそもETERNAが発色を落としてくれているのでハデハデな雰囲気にはならずに済みます。上げ過ぎはバランスが崩れるのでやめときましょう。気持ち上げるくらいの方が燻し銀的渋さが残ったままになります。

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- レタッチ before/after -

基本ベースは上記2つです、何ならコントラストだけであとは彩度ではなくカラーミキサーでもいいかもです。
写真をどう表現したいかに合わせて追加でトーンカーブや明るさなどを写真ごとに調整していきます。
以下いくつか写真のビフォーアフターを見ていただきながら解説していきます。

写真は今話題のホテルニューアカオで撮ったものを使っていきます。今回で5回目の美術展、ほんとに面白いしホテルの造りも圧巻ですので、ぜひお出かけください(関係ないけど宣伝)。

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【Before】

ニューアカオの看板と海ですね。他の方の写真を見て「この看板撮りてぇ〜」と思っていたので、たまたま見つけた時は(やったぜ)とガッツポーズをしました。

これはこれで良いですが、全体的に青とマゼンダが乗っていてホテルが暗い印象ですね。見た時はもう少し晴れていて色鮮やかでしたのでレタッチで再現してみます。

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【After】

ETERNA,コントラスト+40,自然な彩度と彩度は0をベースにしています。
ハイライト−75で空の雲が白くぼやけないようにし、シャドウ+75でホテルの暗い部分を上げています(75って割と極端なので写真によっては合いません)。
WBはオートで撮っていましたが、500ほど上げて適正に色が表現できるところにしました。空と海の青が綺麗に見えるかと思います。
汎用性が高いものでもありませんが、赤の輝度と彩度を上げてニューアカオの文字が目立つようにしています。オレンジも色相を赤寄りに全振りしてリフレクションを赤に馴染ませています(これも極端)。
それでもホテル側が暗い印象があったので線形グラデーションで露出を少し上げて明るさのバランスを取っている感じです。

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【Before】

こちらはある一室の作品展示の部屋です。ホテルの一室が作品展示っていいですね…しみじみ浸ってしまいます。
窓際にあるメモ帳が気になって撮影したものです。「ここにあった香水は一体何のブランドなんだ…」という作品なのか一般の方が書いたのかどっちなんだと思って気になってしまいました。

影の落ち方、光の入り方が綺麗です。畳が好きなんですけど和室の部屋という渋さも感じられます。
ここはETERNAさんの渋さを生かしたレタッチをしていきましょう。

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【After】

変化したんか?と感じるかもしれませんが、一応変化してます。
コントラストは高くしつつ、ハイライトを抑えています。影の部分の階調は死んでないと思います、ETERNAさん頑張ってくれてます。
一応これでも自然の彩度をわずかに上げてはいますが、ETERNAの低彩度の方が強いので発色が柔らかい状態となっていますね。

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【Before】

お次はホテルアカオの方ですね、こちらは比較的造りが新しいですがレトロさも感じさせる造形美がそこかしこに散りばめられています。
この写真はその螺旋階段です。昼頃の光の入りが美しく、手すりの模様が影となって壁に落ち込んでいます。ここまで計算されて作られていると職人の業を感じますね。

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【After】

シャドウがより滑らかになるように整えてみました。とはいえコントラストは高く、シャドウも下げています。黒レベルとトーンカーブで調整している感じです。そんなにどギツい印象にはなっていないかなと思います。
元写真では全体的にオレンジが強かったので、RとBのトーンカーブも多少いじってオレンジ強さを馴染ませています。
これは好みですが、植物の緑が目立たなかったので強調しておいたという感じです。

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【Before】

最後はおまけです。普段やらないのですが彩度マシマシ系のレタッチもしてみました。ここまで来たらETERNA感があるのかとかの声が聞こえてきそうですがそんなもん知ったこっちゃありません。

ここはニューアカオの大広間です。昼は明るく光が入り、青空と海が綺麗、それでいて室内の暗さもちょうどいい雰囲気のある空間です。夜は夜でちょっと怖さも感じる厳かな空間となってて素敵空間です。泊まりてぇ…ここで宴会してぇ…。

シャドウをもう少し上げつつ、コントラストのあるパリッとした仕上がりを目標にレタッチしてみましょう。

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【After】

ハイライト下げ&シャドウ上げ、なおかつコントラストは高めるという真逆のことをしていますが、先程の写真よりははっきりしたのではないかと思います。追加でトーンカーブでコントラストを強めにしました。
彩度と自然な彩度の両方をちょっとだけ上げています。これ以上やるとカビカビになっちゃうのでやめた方がいいなという判断です。
左下の床の影は線形グラデーションでシャドウ強く出るようにしてます。
ちょっとアクアが強めに出てるので(天井のところや縦長の窓など)、お好みで下げてもいいかもですね。アクア自体はほぼいじってないんですけどね。

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- ETERNAいいよね -

というわけで今回はETERNAベースのレタッチをご紹介しました。
ぶっちゃけカメラ内のフィルムシミュレーションではあまり使ったことがなかったんですよね、ETERNA。
改めてレタッチするとなった時にETERNA当ててコントラスト上げてみたら「おっいいじゃん」ってなったのが始まりでした。
まだまだ別の表現の仕方があると思うのでいろいろ試行錯誤してみたいなと思います。
proNegなんかはほんとに使ってないので、ここら辺も活用してみたら面白そうだなんて考えてます。

さて、どうしようかなやめようかなとかなり悩んだのですが、今回プリセットを置いとくことにしました。
2枚目の和室の写真のプリセットを採用しました。黒を引き締め、低彩度で渋さを重視したETERNAらしい仕上がりが一番生きたものです。派手なレタッチをしていないのでどの写真でも当てられます。カラーの方はいじっていないので写真によって調整することも容易かと思われます。
今回の4種類のレタッチデータが欲しいという方もいるかもしれないから置いとこうかなとも思ったのですが、思い上がり甚だしいので複数連絡が来た場合に考えるということにしました。

Twitterで「プリセット使ってみたよー」と@付けてツイートしてくだされば見に行かせていただこうと思います(感謝感激)。
ぶっちゃけこのプリセットデータだけでは超絶地味なので、ここからこれをどうにかしてください。

また、今回のnoteの内容はYouTubeでも詳しく説明しています(こちらをタップするとYouTubeへ飛びます)。
Lightroomの画面もお見せしていますので、4枚ともより知りたい!という方はご覧くださると嬉しいです(基本内容は同じです)。

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ちなみにですが、私は基本的にプリセットを作らず、写真を見て完成図をイメージしてから写真1枚ずつレタッチしています。同じ日の同じ時間帯(同様の光)の写真がある場合は1枚仕上げたレタッチデータをコピーし、別写真にペーストした後に微調整するという感じです。その日のレタッチデータを別日の写真に当てることはほとんどしないですね。統一感よりもその時自分の目で見たものの再現をしたり写真から感じるものを表現したりする方が楽しい。

それでは、また。

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