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Twitterでバズると起こること


こんにちは、中川リョウ(@ryonotrio)です。1988年生まれ。広告代理店でコピーライター・PRアーキテクトという仕事をしています。「恥をかける人」というテーマで最近書いています。

今年に入ってから、このnoteを始めたのと同時に、しばらく放置していたTwitterに本格的に取り組みはじめました。

信じられないくらいバズった


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昨日投稿したこの投稿が全くの広告ナシで800万インプレッション、14万いいね、4.6万RTをいただき(2/12 01:00時点)、2月10日の日本国内で人気10位の投稿に突然なったので、その経緯と裏側で起こっていたことをまとめることにしました。スマホは鳴りっぱなし、秒速で通知が届き、インプレッションは1000単位で増えていきました。

↓そのときの動画キャプチャがこちら↓

いま海外で話題の広告を解説する


今年Twitterを再開するにあたって、まず誰かのメリットになる話をしようと始めたのが「"いま"海外で話題になっている広告を勝手に解説する」ということでした。理由3つあります。

1:競合がいないこと
文化や文脈が理解できれば日本でも話題になる素養はある。リアルタイムでやってる人は意外といない。

2:続けられそう
自分のモチベーションが続きそう。そもそもTwitterとシーズンものは相性がいい。広告もシーズンを意識して制作するので、シーズナルなものを常に紹介できる。

3:自分自身の勉強になる
PRや広告の"今"を意識的に勉強できる。過去に賞をとったものとかじゃなくて、いま海外で何が話題になっているのか。そしてその背景にある文化や文脈は何なのかを自分が知る必要があった。

↓Twitterをはじめた経緯と上記の詳しくはコチラ↓


何が起こったのか


【起こったこと1】:通知が2日間ずっと止まらない


少し時系列で整理したいと思います。日中は打ち合わせが詰まっていて計測できていませんが、以下手動で計測していた推移です。

2/10 2:20 寝る直前にベッドで投稿

午前:同じ業界の人達からのRTがポツポツと始まる。それぞれの視点での解説が加わる。
午後:「これ私のことや!俺のことや!」というコメントつきのRTや返信が爆発的に増加。

6.3万いいね、2.3万RT (2/10 21:00)
7.4万いいね、2.4万RT(2/10 22:00)
8.6万いいね、2.9万RT(2/10 23:00)
9万いいね、3万RT(2/10 24:00)

→2/10日本でRT数10位のツイートに
TwTimez】2020年02月10日の人気順10位のツイートです。
  1日のRT数30,582RT


11万いいね、3.6万RT(2/11 9:00)
11.5万いいね、3.8万RT (2/11 11:00)
12万いいね、4万RT(2/11 13:00)
12.4万いいね、4.1万RT (2/11 14:00 )
12.6万いいね、4.2万RT (2/11 15:00)
13万いいね、4.3万RT (2/11 17:00)
13.1万いいね、4.3万RT (2/11 18:00)
13.2万いいね、4.4万RT (2/11 19:00)
13.4万いいね、4.4万RT (2/11 20:00)
13.7万いいね、4.5万RT (2/11 22:00)
13.9万いいね、4.6万RT (2/11 24:00)

【起こったこと2】:フォロワーが増える
増えたフォロワーは1300人くらいでした。

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【起こったこと3】:親族に連絡がいく
この投稿が話題になってるよ!
と普段Twitterを見ない親族に各方面から連絡があったそうです。

普段企画する側の視点で感じたこと


【インサイトをベースにした企画はやっぱり強い】
「インサイト」とはマーケティングで狙う、消費者やユーザーの「人の心を動かす隠れたツボ」です。勝手に解説すると、今回のハイネケンの企画は「(お酒にまつわる)ジェンダーバイアス」をテーマに企画しています。皆さんからの返信やリアクションで僕自身が学んだのは、こういうバイアスはお酒だけでなく、沢山食べる女性、スイーツが好きな男性など他のジャンルでも「あるある」だったということです。あのCMがそのインサイトに刺さって、これまでの体験の中で蓄積されていた思いがTwitter上で発話されたということだったんだと思います。そのボリュームと熱量が想像以上でした。

またジェンダーバイアスの話で言うと、女性の性別格差の方だけがどうしても語られがちです。お酒に関するこのテーマは、女子にも男子にも過去にモヤっとした経験やインサイトがあるから、男女共に共感性が高くどちらの性別であっても発話しやすかったということなんだと思います。それによって単純にジェンダーバイアスをテーマにした企画に比べて発話量が倍増した。考えれば考えるほど良く出来てる・・・。


【どう言うと愛されるか】
企画者視点で見るとこのCMはインサイトとテーマ設定の時点で、もうぶっちぎってる。その時点でもう素晴らしいんですが、エグゼキューション(表現)もすごい上手です。

まず"Men drink cocktails too."というコピー。ビール会社の広告で、このテーマ設定であれば素直に書くと「女だってビールを飲む」になりそうなもの。企画の最初の着眼点だから。

でも冷静に考えてみると、「女だってビール飲む」ってコピーで出すと「女性はビール飲まないもんだよね」という前提(=バイアス)を逆に認めてしまうことになる。そして「男だってカクテル飲んだってええやん」って話にしたほうが、ビール会社なのにビールの方じゃなくてカクテル推しててすげえって共感度もあがる。愛される。そこで企画がもう1段ジャンプしてる。

この文脈での企画は、販促の機能を負わされている日本の広告では正直結構難しいと思います。どこまでいっても「これやって商品売れるの?」という「問い」がつきまとう。仮にこのバイアスがテーマになっていたとしても、ビールの広告なんだから、ビールのこと言ってよって。お酒に限らず、どんな業態でも一緒だと思います。どっちが良くてどっちが悪いって話ではなく、販促の領域で無理にこういう文法使おうとすると多分「女だってビール飲む」ってコピーにして、ちょっと炎上しちゃうってことなのかもしれません。このさじ加減って本当に難しい。作り手にもクライアントにも誰かを傷つけたいなんて意図は全く無いわけで、自分の時間を割いて誰かのためにずっと考えてる。でも結果そうなっちゃうと、継続されるキャンペーンにはならない。

ハイネケンはここ数年、ジェンダーだけでなくバイアスに対するキャンペーンをたくさんやってます。継続することで、そのブランドがそのテーマを扱う必然性が出てきます。


少なくとも、僕は次ビール頼む時ハイネケン頼もうって思ったし、そういうコメントもたくさんありました。愛されるブランドをつくるってそういうことかなと。

何より今回、同じ業界の人間としてこれくらい好かれる広告つくりたいと心から思いました。

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