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オーディオブックを試してわかったこと

このGWは前から聞いてみたかったオーディオブックを使い倒すことに決めました。

オーディオブックとは、書籍をナレーターが読み上げる音声コンテンツ。ようは本を耳で聞くわけですよ。

Amazonオーディブルなら初回二ヶ月無料なので、悔しいかなだれひとり相手にしてくれないこの私のGWを使って、どんなもんかとオーディオブックの真髄を味わい尽くしてやろうとしたのです。

読んだ本は

小説
■川上未映子『夏物語 第一部』
■夕木春央『方舟』

情報系
■『バナナの魅力を100文字で伝えてください』
■『週刊東洋経済 病院サバイバル』

の計4冊です。文学と情報系どちらも試してみました。

結論からいうとオーディオブック思った以上に効率的でよかったです!一方で、紙の本のよさもこの経験を通じて改めて認識できましたね。

そこでオーディオブックを利用して気がついたそのメリットとデメリットを、わたし個人のとてつもない独断と偏見で書いていきたいと思います。

オーディオブックのよかったところ

1、ながら聞きができる。

最大のメリットはこれに尽きます。皿洗いをしながらでも、走りながらでも、目を閉じていても、ああ、なんてことかな、本を読めてしまいます。

紙の本なら、わざわざ私の上腕二頭筋を使ってそこに向き合わないといけないのですが、耳で聞くだけなら家事や運動のついでに読めるのでとても効率的です。

2、目が疲れない

耳で聞くので目を使う必要がありません。すなわち疲れません。

40代になると読書による目の疲労、そしてそれに伴う集中力の低下をより実感するようになりました。しかし、オーディオブックなら目を閉じた状態でも本を読み進められます。加齢による眼精疲労を回避してくれるのです。

さらなる高齢化社会になる日本。今後、オーディオブックを使用する頻度はより高まるのではという可能性も感じましたね。

3、ナレーターさんの演技力に感嘆する

オーディオブックでは、基本的にナレーターさん一人で読み上げてくれます。え、まあ、他を読んでいないのでまちがっていたらごめんなさい。

でもおそらく多くの声優さんを雇うのはコスト的にも時間的にも手間的にも割が合わないのでしょう。ひとりの声優さんにお願いすることになります。

すると小説などでは、ナレーターさんがひとり何役もやるので、その演技力や声色の変化には思わず感嘆してしまいます。

とくに『夏物語』のナレーターさんはすばらしかったですね。14歳の少女からダミ声の関西おばはんまで、これほんとにひとりでやっているの?、、というまるで別人かのようなナレーションには驚きました。

もはや演技も勉強していないと、こうしたリーディング系のナレーションは務まらないのではないでしょうか。相当なレベルが求められています。

オーディオブックのデメリット

1、味気ない

まあ、よくもわるくも、、もはや本ではありませんね。あくまでも「聞く」という感じなので、小説を読んでいるというよりは、だんだん演劇の台本を聞いている印象になりました。

これまで本を読むときに捉えていた視覚的な、色、改行、フォント、紙質などをすべて味わえないので、味気ないといえば味気なかったですね。

とくに小説においては、装丁から文体まで視覚的な要素も含めたものこそが本だったんだ…とあらためて紙の本の総合芸術っぷりに気づかされました。

たとえば本は文体ひとつとっても漢字とひらがなのバランスでイメージする物語のあり方もぜんぜん変わりますよね。それが失われるだけでものがたりの厚みも薄まる気がしました。

あらためてね、すごいよ紙の本!と思いました。

2、声優さんが合わない

さきほど「夏物語」のナレーターさんが素晴らしかったと言及しましたが、もちろん「方舟」のナレーターさんも素晴らしかったです。

ただひとつだけ気になったのは「方舟」の男性のナレーターさん、ものがたりの中で数多く出てくる女性役ももちろんすべてやるのですが、(ひとり10役くらいやってましたね、、、すごいです)

ただそこまでくるとさすがに演じ分けがむつかしいのか、、さすがに典型的な「男性が演じるただ声を高くした女性の話し方」、、みたいなのがあって、その定型的な女性っぽい話し方には少し違和感を感じてしまいました。

ううう、うまく伝えられません。まあいいや。

ナレーターさんも男性なら男性、女性なら女性と、これまで同性の役を幅広くやってきたとは思います。しかし異性をやる、しかにそれを同時に演じ分けるという経験は少なかったのではないでしょうか。

オーディオブックではそれもすべて担わないといけません。今後声優さんはより演技の幅が求められるんだろうなーと実感しました。

3、読むペースが合わない

オーディオブックでは1.5 倍や2倍など話すスピードを細かく設定できます。これはとても便利なのですが、それでもやはり自分自身が紙の本を読むペースとは違うんですよね。

自分が文字を追うリズムって可変性があって一定ではないんだと思います。他人が読んでくれているものだと、どうもリズムが合わずに主体性が失われているような気分になりました。うーん、まあ、これは慣れなのかな。

最後に

とこれまでいろいろ書いてきましたが、最後にこれだけはいいたい。

オーディオブック。ビジネス系や情報系の本には最適だった!ということですね。

ビジネス系など情報を仕入れる読書とは、芸術というよりはむしろ学びに近いもの。

ですので効率的に耳から情報を入れることは簡素で無駄がないことから、オーディオブックとの相性が抜群でした。

そうそう、以外と知られていませんがオーディオブック。どれも初回は月単位で無料だったりします。ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

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