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豹変する姉、そして体重10キロ減

アラフィフの姉がチョコザップに入会して半年で10キロ体重を落としました。

私もその影響あって姉の紹介でチョコザップ(ジム)に数ヶ月前に入会したのですが、いまのところ半年で1キロしか減っていません。

そしてこの日はたまたま近所の父の家に家族で集まって、その後に姉とチョコザップに一緒に行こうとなりました。

わたしは「10キロはすごいよ!ほんとに。。うらやましい。秘訣ある?」と聞くと

「まあ運動だけでは結局、体重は落ちないよね。食事制限が必要だよ」

と姉は穏やか表情で応えてくれます。なにを聞いても謙遜気味で仏ですね。もう仏。きっと裏ではだいぶダイエットをしているのかもしれません。

そんなこんなで、父の家のそばにあるチョコザップに一緒にいきました。姉と行くのは初めてです。話しながらでも一生に運動をして学びになればと期待していました。

自転車置き場に自転車を止めると、姉はさっさとジムに入ってしまいました。このときから「なんかおかしいなあ」と思ったですが、あまり気にしませんでした。

私がQRコードにとまどいながらやっとチョコザップの入り口のドアを開けると、姉はもうそこにいませんでした。

「あれっ」っと思ってジム内を見回して見ると、姉はもうランニングマシーンで走る準備をしていました。

私は「なんだいるじゃん」と思って、ヘラヘラしながら彼女のところに向かい「へー最初、ランニングするんだね」聞きました。

すると姉はキリっとこちらを向いて私を一瞥するとガン無視したです。澄み切った冷たい表情でした。

私はあっけにとられて固まりました。が、気のせいかともう一度姉に「どれくらいランニングするの?」と語気を強めで聞きました。

すると今度は鬼の形相で振り返ると私をにらみつけてガン無視したのです。

なにも発しませんでしたが、その表情からわたしはことばを読み取りました。

「半年で1キロしか減らないザコは死ね!!おまえはこのジムに用無しなのだ!ヒャッハーー!!」彼女の表情から私はそう読み取ったのです。

私は悟りました。

ああ姉は豹変してしまったのだと。ジム内に入ったときから彼女はもう以前の彼女ではなくなってしまいました。ゾーンに入ったのです。これが10キロ落とす秘訣なのか。。そう、鬼にならずして10キロやせるなんて夢のまた夢なのでした。

私はそれを悟るとトボトボと彼女のもとを離れます。そして筋トレコーナーに向かいぬるぬると胸筋や背筋を気持ち鍛えたりします。その間、ランニングマシーンで走る彼女の背中が見えるのですが、その背中からは湯気がもくもくと立ち上がり、黄金に輝く覇気をまとっています。後光が差していたのです。

そう鬼です。鬼なのです。わたしはその姿を見てつぶやきました。「わたしにはできない。。」

そのことばを発すると彼女の背中を通り過ぎ、声をかけることもなく逃げるようにチョコザップを立ち去りました。

「こ、こわい。。」わたしは敗北感にうちのめされました。

わたしは鬼となった彼女を救うことができるのでしょうか。いやできません。

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