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新幹線は田舎と都会の境目をゆるやかにする


羽田空港のショッキングな映像がインターネットやテレビで流れていた1月2日。

1月の4日と5日を休んでしまえば、じつに11連休も夢でない年始だったにもかかわらず、そんなに休んでられないぞと体にムチを打って大分から東京へ帰る決断をした。やれやれ大人になったもんだ。

島根の友人からLINEがくる。1月3日の始発の飛行機に乗る予定だったが、どうやら飛ばなくなったらしい。それは大変ですね、僕は新幹線でゆっくりと帰りますよ、と返す。

そう、帰り道はなんとなく新幹線でゆっくり帰ろうとしていた自分は、すこし楽観的に映像を見ていた。

「新幹線移動は遠いし、疲れるでしょう」と言われるけれど、僕はけっこう好きなのだ。

家にいたって、カフェにいたって、公園にいたって、どうせすることは変わらない。本を読んだり、考え事をしたり、メモをしたり、パソコンで写真の編集や文章を書いたりなのだから、それって移動しながらでもできるじゃないか。

福岡から、広島。岡山、神戸、大阪とつづき、京都、名古屋、横浜。日本は地続きなんだよなあと感じられて、なによりたのしいんだよね。

新幹線のB席でAもCも偶然おらず、足を広めに伸ばしながら、地元の友達に会ってくれてありがとうとお礼のLINEをして、年明け以降の予定を東京の友達と立てる。このグラデーションがとても心地がよいのだ。

新幹線の地続きで日本を感じとるスピードと、大分から東京の人間関係を更新していくスピードがどうやら似ているようだ。飛行機でひとっとびにしたら調子が出ない、というか連絡ができないしね。

そんなこじつけをしながら、飛行機移動から浮いたお金で飲み食いをするのがいちばんだ。さあて普段は買わないサンドイッチでもたべるか。



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