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虹の彼方に 第3話 五月病予備軍

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「ああ、もうだめ。再起不能」

 悪夢のような二時間が終わったころ、あたしは精も根も尽き果てて机に突っ伏した。
 ふと顔をあげると、板書を消していた水野先生が心配そうにこっちを見ている。そんなに大声を出したつもりはなかったが、前から二番目の席だとつぶやき声も教壇きょうだんに届く。
 不覚にも目があってしまった。

 言いたいことは山ほどあるが、口に出す気力も残っていない。視線を外して体を起こし、あたしは帰り支度を始めた。
 水野先生が物言いたげに近寄る気配がしたが、あえて気づかないふりを続ける。
 同じタイミングで数名の女子が先生を取り囲み、質問を始めた。あらあら、今日も女子高生にモテますね。
 あたしは先生を無視して、鞄を手に教室を出た。

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1,386字
全部で10話ほどですが、1話は短めです。原稿用紙100枚を目処に書いた中編小説を改稿したものです。文字数換算すると、3万字強になります。

メンバーシップ特典マガジンと同じ内容ですが、会員以外の方に単独で販売するように設定しようとしたところ、うまくいかなかったので、改めて単独の…

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