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19歳を迎える私が「音楽」で人生を振り返る。

涼しい風が吹く日が増え、日に日に秋が訪れていることを実感する。

秋生まれの私は、この時期になるとどことなくふわっとした気分に包まれるのである。

ああ、今年で私も19歳を迎えるのか、と。

19年、まだまだかなり短い人生ではあるが、まだまだ幼い頭の中で必死に何かを考え、必死に答えを出そうとした期間であったような気がする。

そんな私の人生の中で常に味方であり続けてくれたもの、それが音楽であった。

学校というちいさい社会のなかで自分の存在を見失うような出来事があっても、音楽だけはいつも私を肯定してくれる、そんな気がしていた。

今回は、そんな私が今までの人生を振り返り、特に感銘を受けた楽曲をピックアップしていきたいと思う。

1.RAGE OF DUST/SPYAIR

この曲は、私にとって数多の思い出が詰まった楽曲である。

わりとハードな吹奏楽部に所属していた中学生の私が、吹奏楽人生の中で一番しんどかった時期に出会ったこの楽曲。

何もかもが全然うまくいかなくて、もうだめなのかな…。と漠然と考えていたある朝、たまたま情報番組で紹介されていたのがこの曲であった。

勝ち取りたいものもない
無欲なバカにはなれない
それで君はいいんだよ
ヒリヒリと生き様を
その為に死ねるなにかを
この時代に叩きつけてやれ    作詞:MOMIKEN

この歌詞が、その当時何をすべきかわからず立ち止まっていた自分を肯定してくれたような気がして、何度も何度も繰り返し聴いた。

この曲を知り、「SPYAIR」というアーティストを好きになり、その年のお年玉で人生で初めてCDを買った。

本気で『好き』といえるものを見つけてから、単純に人生が楽しくなったし、偶然ではあるかもしれないが、その後の部活や受験もなんとなくうまくいった感じがする。

私のアイデンティティを形作ったといっても過言ではないこの楽曲には、感謝してもしきれない。

2.アリア/BUMP OF CHICKEN

現在も幅広い世代から支持を得ているBUMP OF CHICKEN。

その分魅力も数えきれないほどあるが、個人的に一番素敵なのは歌詞であるように感じる。

こんなに「出会い」と「別れ」を綺麗に綴った楽曲がかつてあったのだろうか。

僕らの間にはさよならが 出会った時から育っていた           
笑うから 鏡のように 涙がこぼれたよ
一度でも 心の奥が 繋がった気がしたよ  作詞:藤原基央

『出会いは別れの始まり』とはよく言うが、その『別れ』へのプロセスを『育つ』と表現しているところが素敵なのである。

また、その次にある、『笑うから 鏡のように 涙がこぼれたよ』というフレーズがまた綺麗なのである。

相手が笑っているのに自分が泣いている。これは全く『鏡のよう』ではない。

ここからは私自身の解釈ではあるのだが、ここでいう『鏡』とは、自分の心情にいち早く気づいてくれたり、一緒に同じ想いを共有できる相手といった心の呼応という意味で使われているのだと思う。

貴方の笑顔を見るだけで涙があふれてしまうくらい、精神的な面で通じ合っている、という状況を端的に綴ったこの曲が大好きなのである。

3.Prayer X/King Gnu

この曲と私が出会ったのは私が高校生のときである。

この曲には今までは感じたことのない「美しさ」が内包されていたのである。

たしかに歌詞はものすごくナイーブでしんどい内容だし、サウンドもどこか不穏な空気を纏っている。MVも到底「美しい」といえるものではない。

しかし、MVを見ていただければわかるように、ここで物語られる「美しさ」とは、葛藤や絶望が繰り返される日々の中で微かに見える光のことを指すのではないだろうか。

その先にあるものがたとえバッドエンドだったとしても。

この曲が主題歌として起用されている『BANANA FISH』というアニメもプラスして見ていただければ、この曲の「美しさ」がさらに分かるのではないかと思う。


おわりに

というわけで、私の19歳までの過程を(厳密にいえば中高生時代を)彩ってくれた3曲について語ってきた。

私の今までの経験、見てきた景色、そこで感じたことが集約されているといっても過言ではない3曲である。少なくともそれくらい真剣に厳選することができたと思っている。

これからも続く人生の中で、きっと自分の中では一生色褪せない名曲として輝き続けるんだろうな、とつくづく感じる。

これからも私は音楽を愛し続けていきたい。

少しでも興味を持っていただけたら、聴いていただけると嬉しいです。

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