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「絵が下手でもなんとか漫画を読ませる術」こしの的7つのポイント

前回

「絵が下手で自信がなくても漫画家になった、こしののクオリティ担保術」

を書いたのですが・・・

制作過程をあからさまに書いたのですが、今度行く「マンガ新聞」のネーム教室にあまり役に立たないかも・・・と。

だって、新人さんは一人で描ことが多いし、

スタッフに頼んだりできないだろうし・・・。


なので今回は一人でもできる作画のポイントをご紹介します。

この演出だけはおさえている!!という基本的なものです。

ではでは

【ポイント1】ここはどこ?をちゃんと

これはタイトルページの下描きです。

この下描き、どこで何してんだかわかりませんね。

このタイトルページに限らず、1pまたは、見開き2pの中に

「ここはどこ?」という読者の疑問にこたえるコマはあったほうがよいでしょう。

もし、どこかわからない場合、勝手に読者の頭の中で考えが働き、スッっと

漫画の世界観に入り込めないからです。

デパート?会社?

背景がないと読者も勝手に想像して読みます。

ペン入れしてみます。

ここまで描いてあれば例え看板に「○○病院」と書いてなくても「病院」で話してるとわかりますね。

今回は、空を夕焼けにします・・・夕方か

樹は緑で茂っていますがキャラは半袖じゃないな・・・5月くらいか

樹の葉を舞い散らせます・・・風が強いのか

読者は意識しなくても読み取りますので、

1pの中に場所、季節、時間はわかるように描く方が良いでしょうね


【ポイント2】ページの終わりに「引き」をつくる

これは、1ページ(奇数ページ)のラストコマです。

下描きの時点(ネームの時も)では男の「・・・」で終わっています。

描きながら、これだけだと、次のページをめくる動機が弱いと思い

「あの」を入れました。

わざと男性と女性の「会話の入り」にしました。


カフェで隣の人達の「会話」が、聞く気がなくても聞こえてきたりしますよね。

つい興味がわいて聞き耳をたててしまうことがあります。

「会話」というのはとても興味をひくものだからです。

だから「会話」で「引き」にしました。


ここでは「会話」にしましたが、もちろん違う手法もいっぱいあります。

「ドアがあく」・・誰がはいいてくる?

「人の後ろ姿が現れる」・・・いったい誰?

キャラクターに「なにー?」とか「ええーー!」といって引くものもあります。


【ポイント3】「引き」のあとの「ビックリ」

さて「引き」を作った後ですが・・・

これは特に紙媒体の時注意したいことなのですが

奇数ページから偶数ページは「めくり」になります。

上の絵の奇数ページの最後のコマ「引き」からめくった

偶数ページに「ビックリ」とあります。

この「ビックリ」はこのページを読ませる「推進力」になります。

「ビックリ」することで読者は興味をそそり、読み進めます。

(次の奇数ページの最後のコマの引きまでもたせる)

「ビックリ」には、いろいろな方法がありますが・・・

今回私が使ったのは

①のページからの話の内容から

②はストーリーが急展開するセリフを入れました。

もちろん、ほんとうに「ビックリ」するような絵をいれるとより効果的です。


このように「引き」と「ビックリ」を繰り返していくことが基本だと思っています。

「引き」「ビックリ」のスパイラルをつくること読者は飽きることなく、どんどんのめり込んでいくはずです。


もちろん、奇数ページでエピソードが終わってれば、

無理して、「引き」を作らなくてもいいですし、

偶数ページの一コマ目も「ビックリ」でなくてもいいです。


【ポイント4】人物にもパースを入れると楽

絵が下手な私の場合、読者が「おかしな絵」を見つけると読んでる目がとまり

「なんだこの絵!」となることがあります。

こうなると、いままで築いてきたストーリーも台無し・・・

もったいない。

例えば下の絵みたいなのね・・・笑

奥の女性の顔が手前の男性よりでかい!!・・・適当に描くとこうなってしまうときがあります。

気に食わないから思いっきり「×」した後・・・笑

読者の「目」をとめる「絵」を描かないことも

漫画を描く「演出」だと思っています。


なので、前回もちょっと説明しましたが

こういう時は「パース線」をひきます。

ほらね、バランスとれるでしょ。

ちゃんと隣同士にならんでいるようにみえます。

で、パースに合わせて人物をいれます。

前と比べてみましょうか・・・

ほらね、全然違うでしょ。

「パース線」は「パース定規」でひきます。

ウチの仕事場では欠かせない一品。

「Tools」で売っています。(ちなみに・・・世界堂にはないよ)

必要な方はネットで買うのが便利です。

こちら!

【ポイント5】フキダシの感情表現

ここでは女性が「私は・・・」「もう身を引こうと思ってます」

というセリフを言います。

さて、あなたなら上下どちらのコマのフキダシをつかいますか?


私は「下」を使いました。

コマの形も横長にして、顔とフキダシの距離をあけました。

彼女が「私は・・・」と「もう身を引こうと思ってます」の間に「ため」がほしかったのと、「彼女が胸にしまっててた思いを吐く」という感じがだしたかったからです。

私の場合「上」のフキダシは「独言」の時に使うかな。

もしセリフが「私・・・」「もう身を引こう・・・」だったら「上」のコマ使ってましたね。

【ポイント6】会話の攻め、受け

会話のときの注意点ですが

今「主」と書いてある女性が会話をしかけています。

この場面の会話で主導権を握ろうとしている「攻め」です。

この場合は「左向き」の顔が良いとされています。

読者の視線は右から左なので「左向き」のほうが「強い」感じがします。

で「副」は会話に対して答える側なので「受け」です。

向かい合って話す場合は「右向き」が良いでしょう。

ところが、会話をしていくうちに「攻め」と「受け」が変わることがあります。

この場合は

場面転換で、今まで「攻め」と「受け」のポジションを入れかえます。

これから「副」の女性の反撃がはじまることを表しています。


【ポイント7】感情の盛り上げ3コマ演出

下の男性がこれから「感情」を爆発させるところです。

感情を盛り上げる演出には3コマあるとよいとアシスタント時代習いました。

ある、きっかけで男性の感情は高まります。

①思いをため込むコマ

②決心を決めたコマ

③はここにはないのですが、男性は「行動」にでます。

読者を「ググッ」と男性の心情にシンクロさせる演出です。

ここで③がめくりで「偶数ページ」の1コマ目なら効果は絶大です!

「きたーーーー」みたいな感じになるはずです。笑


1話の中で、感情出すコマすべてに3コマ演出をいれていくと、ちょっとうざいので、クライマックス付近で使うと良いでしょう。



ここで、上げたのは、私が漫画を描く時の

ホントにホントのベースの部分です。

なので、場合により違った演出で描くことまあります。

もちろん他の漫画家さんは「自分なり演出」を見つけて描かれています。

今回は7つ挙げましたが、まだまだあると思うので、また気づいたら次回書きます。


漫画は絵で読むか読まないか決めてる方が多いでしょう。

私は絵が下手というだけでかなり読まれない確率が高くなるのですが

それでも「読みやすい」を考え、工夫しながら描いています。

私の「クオリティ担保術」は

「読者になんとか読んでもらう術」なわけです。笑


やっぱりさ、漫画は読んでもらってナンボでしょ。

読んでもらいたいし!!


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あ、それと・・・

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私の描いた「Ns’あおい」1巻2巻が電子書籍で無料みたいなので、よろしければ・・・(いつ終わるかわからないのでお早めにDL!!)

こんなんでも役に立ったぜーって方、

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では今回、有料部分のお楽しみは

私が実際ネームから作画したものを比べてみる企画!!

今日、このテキストを描くまで「無自覚というか当たり前」としてやってきたことなので、ちゃんと反映されてるのかーー?

自分で立証していきます。笑

ちょっと怖いですがどうぞーー!!


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