さて書くのを再開するとしよう
つくばエクスプレスで帰宅中電車が全線運転中止した。秋葉原からつくば駅まで全線50キロを45分で結ぶこの路線は通勤路線だ。北千住や南流山といった東京メトロとJRと交差する沿線はこの20年ほどで宅地開発が進み急激にそして大幅に人口が増えた。当時路線が営業開始した時は遅れに遅れた土地買収と線路建設がやっと終わり計画から何年も遅れて営業開始した。
私は当時つくばに住んでおり、それまで高速バスでしか都内へアクセスできない不便さから解放された。最寄駅までのバスなんてないから車で来て駐車場に停め、30分に1本しかこない電車に乗ったものだ。もちろんいつでも座れた。
2005年ごろだったかな。博士課程に在籍していたその当時の記憶はあまりハッキリしない。1年に2〜3個記憶しかない。それから随分年月は流れた。
2008年ごろにつくばを離れ仙台へ引っ越したからその後の沿線の開発事情は詳しくは知らない。東北地震が起こり、仙台から東京への出張中に帰れないまま仕事がなくなったことをなんとなく思い出した。
それからいろいろあって今はまたつくばに住んでいる。最寄駅の研究学園駅はつくば市役所が移転してきたこともあり、この10年余りで急速に開発が進んだ。巨大な小中一貫校が新設され、宅地がどんどん拡大していき、いつしか野生のキジも少なくなったいなくなったと思っていたら、数年前にまだいることがわかった。早朝に散歩すると時々鳴き声を聞くことができる。昼間は鳴き声を聞くこともないし姿も見えない。どこへ行ったのだろうか。
ちょうど1時間半前のこと。夕方の通勤ラッシュ時に秋葉原駅で電車に乗ってすぐに全線停止した。その後電車は動かぬまま40分が経過した。仕方ないから立ったままさっきまで受けていたフランス語の復習をした。シャドーイングと日本語訳をしたからまあ時間の使い方としては理想的と言える。40分が経過したとき振り替え輸送の案内があり、目の前に座っていた女性が退出した。とりあえず座ったらすぐに電車が動き出した。つまり偶然車内がオフィスとなった。座っていればほとんど全てのことはできてしまう。大声で歌ったりするのは無理だけど文章を書いたり、やろうと思えば宿題をやることもできる。
40分以上立ったままだったならば、その後は音楽を聞くなりして時間を過ごしていただろう。立ったまま文章は書けなかったに違いない。だからこの文章は全線停止した電車のおかげで書けている。さっきから気になっているのだが、実は電車の遅延とは別の問題が進行中だ。コーヒーを入れた保温ポットの蓋がズレていてカバンの中にだいぶこぼれてしまっている。蓋をちゃんと閉めないままバッグに入れてしまうクセがあり、時々バッグの中がバケツをひっくり返したような状態となってしまう。モロッコで電車で移動中に1リットルくらいバッグにこぼしてガイドブックがびしょ濡れになった。今日は中身はほとんど飲んでしまっていたから大惨事にはなっていないが、ワンピースの一部にコーヒーが溢れていることに電車が動き出してすぐ気がついた。帰ったら洗濯をしよう。まだ1〜2回しか着ていないのにシミになったら嫌だなぁ。こんなふうに液体がバッグの中で溢れる時、背後には大きな問題があることが多い。蓋を閉め忘れるほどうっかりしているのは注意力散漫だからで、旅行中の計画の読み間違いとか電車の乗り間違い、そして具合が悪くなるなど様々。モロッコの時は電車で移動した後にコロナウイルスに感染した。今は何か問題があるのかまだわからない。帰ってみないととわからないが何か大変なことが、もしかして起こっているかもしれない。30分後にはわかるだろう。と言っているうちに文章を校正していたらあと5分で到着する。電車が運転再開してから50分が経過。最初に動き出してからちょうど100分。この時間の使い方は結構いいかもしれない。明日同じリズムで再現してみよう。瓢箪から出た駒?かなり偶然だけどラッキーな時間。電車が着く。また後で。
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