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ひとり世界ふしぎ発見の旅~モロッコ2022.11.3-26 旅の全体感

なぜこの旅を始めるのか?

世界のすべての国へ行ってみたい。このところなぜかそういう思いがあって、9月の那須リトリートのときにYujiさんに聞いてみた。
一人世界ふしぎ発見の旅とかどうですか?と言われ、へ?
ってなっていたんだけど、とりあえず始めてみることにした。

世界には200以上の国々があるけど最初にモロッコへ行くことにした。理由は、前から何となく気になってガイドブックを買っていたうちの一つであること、あとは日本と対極にある気がして面白いかなと思ったこと。対極にあるものを混ぜる、というのがリトリートのタロットカードにもあったから。その他に理由はないけど、それだけあれば十分かな。もともとは次の旅先としてメキシコへ行こうとしていた。スペイン語圏に興味があり、南米へ行きたいのだけど、手始めにメキシコからというような感じで旅先に選んでいた。モロッコは来年以降に行く予定だったのだけど何となく順番を入れ替えて今年2022年に変更、期間は2週間の予定だったが最終的に3週間になった。

出発の2週間前に航空券を購入し、大まかに旅程を組む。11月4日カサブランカの空港へ24時間の移動を経て到着。いや~遠い。直行便がないのでヨーロッパ経由か中東経由になるのだが、今回は中東経由に。成田から12時間+10時間。乗り継ぎに2時間で計24時間だった。前回海外へ旅行したのは2年以上前だし、最後に行ったのはインドでANAの直行便だったからもっと近くて楽だった。アジアだったこともあるし、ムンバイの空港は蒸し暑くて何故かHOMEに帰ってきた感があったな。

ヨーロッパ経由のほうが楽そうだなというのが旅を終えての印象で、次回はパリ経由にしようと思っている。モロッコはフランス語圏だし、フランスからの旅行者も多くそのほうが自然な行き方のような気がしている。フランス語に慣れるという意味でも。

到着日の11月4日に空港からカサブランカからマラケシュへ移動。電車で2時間半で到着する。電車からの景色は赤茶色の砂と青い空の世界、初めてみる景色にモロッコ旅行への期待が高まる。駅からホテルまではタクシーで移動。ホテルはアラビア式のリヤドと言われる中庭にドアと窓がある伝統的な作り。手作り感あふれるタイルの壁、床、そしてランプ。ここには工業製品はないのか?とおもうほど人の手の気配を感じる品々だった。ふ~ん、こんな感じかぁ。普段工業製品に囲まれているから、逆になんだか落ち着かない。規格化された世界になじんでいることに日本を離れて気づいた。美しいんですけどね。

マラケシュでは旧市街に3泊して、迷路のような街を散策した。迷うとは聞いていたけどこれほどとは。初日はホテルをでて30秒で迷った。右も左もわからない。2日目は1分くらいで迷う。3日たって徒歩5分の広場まで迷わず行って帰ってこれるようになった。なぜ迷うかは壁に印がないこと、どこもかしこも同じに見えること、時間帯で景色が変わること、一見道に見えないところが通路だったりすることなど。でも行ってみればわかる。目印が見分けにくくてこれは迷う、とすぐ実感できると思う。ホテルのスタッフに聞いてみた。街が迷路のようで迷っちゃうんだけどどうしたらいいの?君は東京では迷わないでしょ、僕はマラケシュで生まれたから迷わないんだ。う~ん。そうだけど。面白かった、こんなに迷うのも。

マラケシュでは広場の屋台をのぞいたり、宮殿を見学したり、街を散策したりして過ごし、モロッコの雰囲気を自由に楽しんだ。その後イヴサンローラン美術館へ。モロッコを拠点にしていたイヴサンローランの生涯と主な作品を紹介した見ごたえのあるもの。タクシーでアクセス可能なのでマラケシュへ行ったらぜひ立ち寄ってみるのがお勧め。

11月7日の朝マラケシュからエッサウィラへバスで移動、3時間。このバスの小旅行が予想外によかった。途中山羊たちが木に登ってアルガンオイルの実を食べる写真スポットに立ち寄ったり、アルガンオイルの工場へ行ったりする。参加者たちとワイワイいいながら見学して楽しかった。朝8時半に出たバスは12時半ごろエッサウィラへ到着した。小さな港町は半日もあれば観光できる大きさ。海、大西洋の荒波、新鮮な魚介類、もうこれだけで元気になる。エッサウィラは迷路もシンプルで迷いようがない、しかも海が部屋から見えるかなりいい部屋に泊まった。モロッコ旅行で最も快適なホテル、できればこのまま帰国したほうが幸せだったかも?と思ったが、2泊した後に12時間かけてバスと電車でフェズへ移動した。

フェズは日本でいうと京都のような街、古都。とはいえ京都のような風情はなく、やはり旧市街は迷路。そして長時間移動のため疲れて1日動けない。3泊したけどホテルの壊れた鍵に悩まされ、部屋にとじこめられるというハプニングが発生。夜中に部屋から出れない。しかもトイレは別の部屋に分かれている。もう一回寝て、朝6時ごろホテルに電話して、1時間後に開けてもらった。これは今回の旅行でついて回った鍵トラブルの始まりだった。

部屋に入れない、部屋から出られない。
部屋に誰か入ってくる、などのトラブルが鍵が壊れていたりすると発生する。
あなたはどれがいやですか?どれもいやかもしれない。

部屋から出られないのはかなり困るでしょ。というか過去生で閉じ込められてたのかもしれない。変に浮遊感を伴う感覚を、この部屋にいて感じた。多分この町へは2度と行かない。ほんとかな?また行くかも。ホテルを変えればいいかな。

そして11月12日の午後、バスに乗り3時間の移動。シャウエンに1泊、青の町。きれいな街でした。

これからの旅のスタイル~移動より滞在を長く

最後にタンジェ、スペインとジブラルタル海峡をはさんで対峙する港町。横浜みたいに坂が多く、魚がおいしい。ゆったりしていていい雰囲気。この町に10日間滞在。季節の移り変わるのを初めて海外で観察した。貴重な機会だったし、こういう滞在型の旅を今後していきたいと思ったのが今回の大きな収穫。友達もこの町でたくさんできた。滞在したホテルはDar Nour、いままで滞在した中で最高の宿、オーナーのフィリップさんが建築家で部屋ごとに内装をこだわって作っていることに加え、ホテルのサービスが各段によく、しかも自由にさせてくれる。滞在をサポートするのはおもてなしの心に溢れるスタッフばかり。体調悪くなったとき、スープを作って持ってきてくれたり、安眠のハーブティーを作ってくれたりした。モロッコ最高。また来年も行く。

帰国の2日前にタンジェからラバトへ高速鉄道で移動し、1日滞在。首都だけあって、この町には信号がある。トラムも走ってるし、街の雰囲気はいい。考古学博物館が最高でした。ローマの衛星都市の模型が展示してあって、30分ぐらい眺めていた。何時間でもいられる。3Dにすると生活感とかリアルに想像できるから映像が浮かんでくるんだよね。

最後にカサブランカへ戻ってくる。1泊して翌朝のフライトで日本へ帰った。

旅を終えて何を考えているのか?

行ってよかった。帰りの飛行機を変更したり、ホテルを延泊したり、
ホテルで感染症が治るのを待ったり、いろいろと大変なこと続きだったけど
それでもこの旅に出てよかった。行かなきゃよかった旅なんてないけどこの旅は旅の始まりとして、そしてリトリート後の変容の要素として重要だった。

まず、よかったことは
新しい旅のスタイルが見えてきたこと。
ひとつの街に滞在して、その街を暮らすように楽しむ。バイブスを感じながらというのがふさわしいかどうかわからないけど、人々とコミュニケーションをとったり、自分の感情や思考に気づいたりしながら一日を過ごす。
見えてくるのは自分の進む方向。旅を指針にして自分の抱えている問題、課題などがあればそのヒントが得られる。なかったとしても、ただそこにいることを楽しんで視点の変化に気づいたり、あるいは気づかなかったり。

次によかったことは、とにかく旅行を再開したこと。
2020.1に香港とインドへ行ったのが最後の海外旅行。そこから2年と10か月がたち、久しぶりに海外へ。航空券は高騰し、感染症対策で旅に出るのは煩雑になったけど、とにかく再開したのはよかった。

つまり、振り返ってみると3年から5年の変容への準備ができたことが大きな収穫だった。


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