見出し画像

ケース分析とは何をすることなんだろう

さて、ケース分析を進める上で、「そもそも私は何をするのか?」という疑問が浮かぶことがあります。ケースライターによって集められた時点での対象企業の前提情報がありますし、信頼できる外部情報を加えることも可能です。しかし、これらの情報をただ述べたり、フレームワークの中に置くだけでいいのか。分析とは具体的に何を行うのか、明確に理解せずに書いてきましたが、それでも一定の評価を得られていました。

今回の課題では、さらに詳細な指示があります。例えば、以下のような質問があります。
Strengths and Vulnerabilities of Mobileye:
Delve into the underlying factors that position Mobileye as a leader in its industry. Highlight its competitive advantages and innovative accomplishments. Conversely, identify any potential vulnerabilities or areas where Mobileye might face challenges. Consider both internal operations and external market conditions in your analysis.

このような動詞に着目することで、ケースを読んだ後に何をどうすればよいかが見えてきます。

コマンドワードに着目する

コマンドワードとは、試験やその他の評価課題で使用される、受験者にどのように回答すべきかを指示する単語やフレーズです。イギリスのGCSE(中等教育の修了資格)の試験や、イギリスのマーケティング協会が作成したレポートでも、特定のコマンドワードが使われています。

ここでは、AQAというGCSEの試験委員会から引用したコマンドワードの例を紹介します:

  • Analyse(分析する):トピックや問題を構成要素に分解し、詳細な説明を提供して理解を伝える。

  • Assess(評価する):いくつかの選択肢や議論を検討し、その有効性や妥当性について結論を出す。

  • Discuss(議論する):賛否両論を示し、議論の内容や重点に関連した結論を出す。必ずしも同じ比重である必要はないが、バランスが取れていることを示す証拠が必要。

  • Evaluate(評価する):いくつかの選択肢、アイデア、議論を検討し、それらの重要性、成功、価値について結論を出す。

  • Justify(正当化する):なぜそのような行動を取るべきか、その見解や考え方の正当性について理由を述べる。これには、代替的な見解や行動を論じたり、割り引いたりすることも含まれる。提示された意見や選択肢には、それぞれプラス面とマイナス面がある。生徒は、この検討プロセスのすべてを説明できなければならない。

  • Summarise(要約する):関連情報を簡潔に説明する。

「Discuss」も、これまでは「議論してって言っても、一人で議論するの?レポート内の議論って?」と違和感を感じていましたが、Pros(メリット)、Cons(デメリット)を両方示したうえで、どちらかを推奨する結論を出すことがわかります。

"Analyse" = 分解すること?

AQAの定義によると、”Analyse”には
1. トピックや問題の内容を構成要素に分解し、
2.  詳細な説明を提供し、
3. その理解を伝える。
の3つが含まれています。

イギリスのマーケティング協会「Chartered Institute of Marketing」では、基礎レベルで「分ける」ということが記されていますが、レベルが上がるにつれて求められる内容も変わってきます。

"Analyse"
Level 3 (Foundation Certificate): Separate information into components and identify their characteristics

Level 4 (Certificate): Identify components of a broad range of models and the relationship between these components. Draw out and relate implications.

Level 6 (Diploma):  Analyse new and/or abstract data and schools of thought and consider alternative solutions and outcomes independently, using a range of appropriate models, principles and definitions. Compare and analyse alternative models using appropriate rationale and criteria.

Level 7 (Postgraduate Diploma):  Can analyse complex, incomplete, or contradictory areas of knowledge and diverging schools of thought using appropriate models, principles, and definitions. Can analyse a range of models and schools of thought independently, demonstrating critical awareness and originality of thought.

Level 6と7では、そのまま”Analyse"が使われていますが、Schools of thought(学説) やモデル、原則などケースの情報以外のものを取り込んだ上で、批判的な認識力と独創的な思考力が求められていることがわかります。

結論:まずは5Cで分けてみる

分析の基本は、情報を分解することから始まります。そこでまずはケースの情報を5Cで分けてみることにしました。5Csはマーケティング担当者がビジネス環境を理解し、ビジネスに直面している最も重要な要因を評価するためによく使われる状況分析手法です。

1. Company
2. Customers
3. Competitor
4. Collaborators
5. Context

続きはまた次回に!

参照:
ケーススタディ Mobileye: The Future of Driverless Cars

AQA Command Words

CIM: Decoding CIM terminology at Certificate level


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?