「生まれなければよかった」さえも考えられない不幸
目黒で起こった虐待死。
5歳の女の子が亡くなった。
書き取り帳にひらがなで書かれた「反省文」。
いろんな人がその文章を目にして胸を痛めている。でも、だからと言って実際に虐待している家族が隣に住んでいるとしたら、手を差し伸べてくれるのだろうか。差し伸べてくれたとして、「虐待だ」と言い切ることはできるだろうか。よその子なんだし、とそれ以上は突っ込めないのではないだろうか。
我が家では怒られるようなことをすると「食事を抜く」罰が当然だった。
また家族揃っての食事は耐えがたい空気。
私は5人きょうだいなのだけれど次女と長男はあまりしゃべろうとしない子だった。今なら、父親に対する恐怖によるものだと分かる。でも、当時は私も「聞かれていることになぜ答えられないのか」と疑問に思ったりもした。
食事が始まる。
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