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【イタリア滞在#9テラコッタ工房へ】 

むかーしむかし、ジョージアの人々(またはその他黒海周辺の国々)は、焼いた土(粘土)「terra cotta」の容器amphora(アンフォラ)で、ワインを貯蔵していました。
人類の文明が進むにつれ、貯蔵の容器も様々に変わっていきましたが、現在ではアンフォラの良さが見直され、近年ではちょっとしたブームに。
というわけで、テラコッタ産業の街imprenetaに工房見学に行ってきました~。街に入ると、まずあちこちにテラコッタ製品が。各家庭玄関の表札もテラコッタです。

工房に到着すると、早速イタリア兄さんが
型作っている。

これを見て、映画「ゴースト」のワンシーンを思い出したかどうかで年齢を計れます。ハイ、私です(笑)バックミュージックも浮かぶ…😂

↑こちらのタイプは、まずは型をとって
それから手で整えていきますが

↓以下のタイプは最初から人間が形を作っていくそうです。

この大きさで、製作期間は2か月程だそう。

こちらが、もとになる粘土の粉です。

これに水を加え、機械でグリングリンします。
(グリングリンの写真消しちゃった、、)
そして様々な形に作り上げます。

人ひとり余裕で入る大きさ。
こちらは小さめタイプ。


ここの工房の所長さんらしい(笑)

型造ったら、いよいよ焼きます。

おもい重い扉を開けて….


この中で焼きます。

温度は1000~1300℃まで上がります。

焼き終えたものたちが、堂々たる姿で並んでいます。ここから顧客の希望によって、蓋をつけたり蛇口をつけたりするようです。
イタリア全土へ、または海外へと輸送待ちのアンフォラたち。
時代と共に下降気味だった産業も、現在はワインのアンフォラブームのお陰で少し昇り気味だそうです。
本来ならお皿や庭の置物も造りますが、現在製造しているのはほぼ全てがアンフォラとか。

全ての工程を終え、
スペインへの出荷待ちアンフォラ。
中には、焼き終えてから
割ってしまうものも😭

様々な置物もあります。

ザ・ヨーロッパって感じ。これら、全て型無し、ここの工房の方の手作りだそうです。

家族経営の小さな工房、個人レベルが高い!

と、こんなものも!

職人であり、芸術家なのですね。

と、ごく簡単にアンフォラができるまでを綴ってみましたが
何故またアンフォラ貯蔵が見直されているのか?

酸素を通さない=ステンレス容器
酸素を通す=木樽
が近代の主流となっていましたが
その中間、微かに酸素を通すのがアンフォラなのですね。他の容器と同じように、どのように熟成・貯蔵するかの調整は、生産者によります。

簡単に言うと
●現在のワインの流行り自体が、しっかり重めよりもすっきりタイプ、繊細でエレガント、ブドウの香りそのものを楽しむタイプが好まれているようで、かといって完全ステンレスよりも、ちょっと変化を加えたい。生産者の個性を出す一つの手段。
●地球に優しいBio、ナチュールタイプも好まれていて、美味しいものもたくさん出来ている。容器も自然素材のものに注目されて当然。
●ボトル自体もテラコッタ製にすると、オシャレ感も。また、例えばジョージア等のワイン造り元祖の国でしたらその土地のアピールやお土産品にもなります。

これは日本で撮ったものですが、オシャレで目を惹きますよね❤見た目惹かれる、ということは、注文の確率もグッと高くなります。

『アール・ド・ヴーヴル』
フランス、ラングドック・ルーション地方
生産者 ジェラール・ヴェルトラン

この後実際に工房で試飲。
ウンブリアのものとトスカーナのものでした。

思い出せる範囲で綴ってみましたが
ここまでお付き合いありがとうございました!

これから、アンフォラでの貯蔵やテラ・コッタ製ボトルのワインを飲む時の見方や感じ方が少し変わりそう✨また、ワインを頂く楽しみが増えました😊

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