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正しい歩き方と、やりたい歩き方

オリンピック始まりましたね!

なんだかんだ言っても、始まってしまえばスポーツの祭典。単純な私はあっちのスポーツ、こっちのスポーツと普段見ないものまでみて、きゃーきゃーしています。

そんな中でも、開会式は胸に迫る場面がありました。
それは長嶋監督の歩いている姿です。

私は長嶋世代でもないし、野球ファンでもないけれど、彼の歩く姿にはとても心打たれました。

2004年発症の脳梗塞。
発症から17年も経っている。
そして彼の年齢は85歳。

リハビリテーションに関わる人なら、この凄さがわかると思います。
歩いている姿を見れば、日常的に歩いているとは思いがたいのです。
それでも、今、歩いて聖火リレーの場面にいる!

とても大きな、ここにかける思いがあったんだろうと思うと、なんとも言いようのない気持ちでいっぱいになりました。

ここからは私の想像と感想になりますが

あの体の動きでは、基本的には杖や支えるものが必要だと思います。
杖をついて、介助する人は麻痺している側から支えるのがセオリーです。

でも、杖を使わないことを選ばれたのでしょう。そのため、松井秀喜さんは健側介助(麻痺のない方からの介助)をしています。
健側介助は、本人の動きを邪魔しないように、できるだけ麻痺側が動きやすいように気を配って介助をするので、ちょっと難しいのです。長嶋監督だって、左に杖、右に松井さんがいれば両側の支えがあるから、安全にできるはず。

でも、難しくても、この歩き方がしたい!という歩き方だったんだと思います。
オリンピックの大舞台でそれを達成したお二人、そのあゆみを焦らせることなくペースを作ってくれた王監督の絆を感じずにはいられませんでした。

ネットでは、「車椅子に乗せてあげて」「介助の方法が違う」といった声もありましたが、正しい歩き方が大切な場面と、やりたい歩き方が活きる場面とは違うと思います。

介助の正しさもTPOがあるんだよな〜ってことを、改めて感じました。

個人的に嬉しかったのは、装具を隠さず見せてくれたこと。
装具は障害者の象徴のように思われやすく、嫌がられることが多いです。
でも、装具は体の補助をしてくれる大切なもの。
これがあるとないとでは、大きく違います。
履かずにいると、歩く力が早く失われることもあります。
なので、装具を履いた姿を見せてくださったことは、装具の必要性を見せていただいたようで、とっても嬉しかったです。

Twitterにも同様の投稿をしたところ、反響の多さにびっくりしました。
健側介助だと安心して歩けるようです、など教えていただくこともあり、本当にありがとうございました。

人様の歩き方に、当事者でもない人間があーだこーだいうのはよくないのではないかと思い、投稿する時もビクビクドキドキしていましたが、いろんなご意見を頂けて改めて考えるきっかけになりました。
ありがとうございました!

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