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その3 ダメだ…から、できることをやり、身をゆだねる へ。

それで、私は自分を責めるのを
突然やめて、
起き上がった。

それから具体的に考えてみた。
何が問題なのか。
そして今できること、を書き出した。

夜が明けて、
実際に畑で観察してみると、
悲嘆するほど酷い状態でもないように思えてきた。
もともと、腐植はすごく多いわけではないけど、物理性も悪くはないと感じていた。
少し掘ってみると畝にはしっかり団粒もある。
草は青々と茂っている。

もしかしたら、畑そのものではなくて肥料成分を全くない配合にした
種まき培土のほうの問題かもしれない。

夫に相談すると、
アドバイスをしてくれた。

そして、その日は
いくつかの仕事や用事があって
すぐに取り掛かれなかったのだが、
夕方、ようやく畑へ行って、
座ってみた。

すると、焦りでいっぱいだった私に、涼しい空気が満たされて、
突然鳥たちの歌声が聴こえてきた。


話が飛ぶようだが、
今週末、オンラインで
2年ぶりに
ティクナットハン師の詩を読む会が開かれた。
翻訳者の島田啓介さんと
通訳をされる花岡千都子さんが主催される会で、
翻訳者の話が聞けるという貴重な講座だ。
私は以前から参加を楽しみにしていた。

身をゆだねる

息を吸いながら
私は帰るわが内なる島へと
その島には美しい木々がある
そして澄んだ流れがある
鳥たちと
太陽の光と
すがすがしい空気
息を吐きながら安らぎを感じる
私はわが内なる島に
帰る幸せを味わう



『私を本当の名前で呼んでください』
「身をゆだねる」からの一節
ティク・ナット・ハン詩集
島田啓介 訳
野草社

畑での夕方のいっとき。

この詩では、
内なる世界なのだけど、
まるで外界に顕現したような、

そんな美しい一瞬だった。

私は予習をしていて、このとき、
この詩をもとにしたプラムヴィレッジの
歌を聴きながら、座ったのだ。

私が、私ががんばらなくては!
と思っていたけど。

すでに、ここにあったのだと。

畑で困りものだと感じてた
スギナ
朝露でキラキラ
イルミネーティング・スギナ !

英文でのタイトルは
〝Taking Refuse”
退避する、避難するのイメージが強くて、「身をゆだねる」と
島田啓介さんが訳されたことに
多少の驚きを感じていた。

しかしそれは、
今週、苦しんでいたことへの
Answerのようなタイトルでもあった。わたしにとって奇跡的なタイミングだったと思った。


昨日はほとんど丸一日ハーブ畑の作業ができた。

スギナを刈って、
ふかふかの干し草マルチを敷いた。
一輪車とコンテナで、何度も何度も運び込んだ。

干し草マルチを運び込む時に
入口の戸が開いていて、
ヤギのみんなも、
いそいそ入ってきた。

思い思いに草を食べたり
乾草の上に座り込んだり。
パリパリに乾いた雑草マルチを
美味しそうに食べたり。

なんだか、笑いが込み上げてきた。

これ、すごくいいなあ、
もう、全部ここにあったな、と。

ハーブはまだいまひとつ育ってないけど、
山羊が生えました。
山芋じゃないですよ。

さて。

こういう畑のやり方は、
数ヶ月ではなかなか完成しないだろうし、いや、
永遠に「完成」しないのかもしれない。
いつまでも「わたしが」思うようにならないかもしれない。


私の今の願いは。


何かをジャーン!と
作り上げたい!という私の心の癖に
気づいていられますように。

私の苦しみに気づいていられますように。

そして、今ここにある、
幸せに気づいて、
よろこぶことができますように。

(長くなりました。
読んでくださって、ありがとうございます!)



りょうこ


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