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ちょうどいい二眼Yashica44

二眼カメラって良いですよね。ぶら下げた時にきちんと前を向いていて可愛いですし、価格も高価で高性能なものから、そこそこの値段で買える普及機まで価格帯が幅広いです。やや卑しい話ですが、カメラへのこだわりを分かりやすくアピールできるのも良いです。
しかしながら、二眼はファッション的に持つにはいささか大きすぎると感じます。あくまでサブというかおもちゃ的に使うのであれば、敢えて66の二眼にしなくても、44の二眼で十分なのではないかなと思います。


127フィルムの現状

127フィルムに関しては、現在かわうそ商店さんにて入手可能で、ISO100のモノクロフィルムがGP3PAN100とRERAPAN100、ISO400のモノクロフィルムがRERAPAN400が手に入ります。カラーネガは過去には存在したようですが、2022年11月では無いようです。
現像に関してはPatersonの現像リールが使えました。スキャンに関しては、GTX980などは純正のホルダーはなさそうなので66のネガキャリアを使用してデュープしています。手焼きプリントをするならガラス板で挟むか、645ネガキャリアで誤魔化すか、そんな感じになりそうですね。

使用感

Yashica44に関してですが、大きさとしては小型のハーフカメラのPenSよりも少し大きいくらいのサイズ感で鞄にメインのカメラと一緒にぎりぎり隙間に入れられます。微妙な線引きですが、お出かけの際に鞄の余ったスペースにぎりぎり入るのが44、カメラバックに入れるのが66という差はありそうです。
ファインダーはフレネルが入っているのでそれなりに明るく見やすいです。巻き上げは、1枚目だけを赤窓で合わせる方式となっています。レバー巻き上げで、きちんとコマカブリもせず取れましたので二眼に慣れていない人にも使いやすいかと思います。ただ、巻き上げとシャッターチャージは完全に独立しているので、多重露光には注意が必要です。

左:FireKingのマグカップ, Yashica44, PenS

作例

Rerapan100とRerapan400で撮影したので作例を紹介します。現像液はD76(Stock)を使用しています。

Rerapan100

中央拡大。粒子感は感じられません。
中央拡大。同様に粒子感はみられません。


明暗差が大きいと簡単にシャドーのディテールはなくなります。

描写傾向的には赤外線フィルム特有のシャドーの抜けた感じがします。2022年11月販売時のモノに関しては、赤外域が750nm付近までと但し書きもあることから、中身はRolleiRetro80Sなのではないかなと思います。D76で現像しているというのもありますが、きわめて目立たない粒子感も納得がいきます。
古典的なフィルムとも微粒子フィルムとも異なる描写傾向で、結構使いこなすのが難しい印象のフィルムでした。最後の写真で顕著ですが、シャドー部がスカスカになってしまい、ハイライトも飛びがちな点が難しいです。減感して使えば或いは..…、という気もしますが、素性からして難しそうです。

Rerapan400

開放での描写はポートレートに良さそう
光線漏れが左右から見受けられました

たぶん中身はHP5+ではないのかな?という気がします。しっかりとシャドーからハイライトまで描写されていて、非常に使いやすいフィルムです。夏の日中以外では全部RERAPAN400でもいいように思います。ポートレートで撮ってみると焦点距離が短い分、適度に被写界深度があって良いですね。
個人的には44フォーマット自体があまりシリアスに使用するフォーマットではないように思うので、とりあえず高感度フィルム入れておいて、減感したりして露出を調整する方が使い勝手はいいように思います。

総評

お遊びで使うにはなかなか楽しいカメラ, フォーマットなのではないでしょうか。個展やシリーズ作品を撮影するのであれば、もう少し供給の安定している中判フィルムを素直に使った方がいいかと思いますが、コロンとした手乗りサイズの小さな二眼カメラというのは使っていてかわいらしいです。
データ化に関して、やや課題の残る部分はありますが、中判カメラに比べて手に入れやすい価格になっているので、マクロレンズと一眼レフをもっているのであれば挑戦する価値はあるかと思います。


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