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AIが一般になった世界はどうなるか?「A.I.」解説

原案キューブリック
脚本監督スピルバーグ

最大のテーマ「ロボットは人間になれるか。そもそも人間の定義とは」
ピノキオのテーマも含んでいる

スピルバーグのテーマである、親に受け入れてもらえない子供の心情や家庭崩壊。
キューブリックのテーマである、居場所のない人たち。
手塚治虫の鉄腕アトムにおける差別され排除され愛されることを知らないロボット。この共通したテーマが今作には出ている。

ーテーマ「人間とは何か」ー

「人間は生きてる意味を探るために芸術や数学を生み出した」

何かになりたい、何かを知りたいという欲求は人間にしかできないこと。できないこと、夢を追い続けできないからこそ追い求め続けるのはまさに人間らしいこと。夢を追い続け、願いを掛け続けることができるのは人間だけ。いわゆるデヴィッドは人間になったのです。

この映画でいう人間の定義とは生物学的なことではなくて生き方によって人間か決まる。ということ。今作でも様々な事を経験したデイヴィッドはラストほとんど人間に近い動きをしてる。

ーユダヤ虐殺との関係ー

キューブリック、スピルバーグ共にユダヤ人である。そのためホロコーストを意識させるシーンなどがある。まずは機械破壊運動。子供が降りに入れられる映像や破壊を楽しむ姿がホロコーストに重ねられてる。

さらに主人公デヴィッドという名前。これは英語読みでダビデ。ユダヤ人がユダヤ人と判別できるように腕につけられてたダビデの星を表す。

ーラストー

デヴィッドは寝ることで人間になれたのか。

お母さんのクローンを宇宙人に造ってもらえますが、寿命が1日。宇宙人は過去の地球の文化の情報をメモリーからもらったお礼として、いちばん幸せな方法つまりクローンの寿命と一緒に眠るように機能停止してもらった。

そして主人公の脳から引き出した記憶を元に部屋を作る様子は2001年宇宙の旅を意識しわざとかぶるように作っています。

「AI」はスタンリー・キューブリックが映画化権を手に入れ脚本は完成させたがキューブリックは、映画の中で必要とされる特殊効果が当時の技術レベルでは表現できないとして、91年頃にこのプロジェクトを延期した。しかしキューブリックは『ジュラシックパーク』をみて、技術の進歩が必要なレベルに達したと考えて93年に製作を再開した。

2001年宇宙の旅では当時手足の長い宇宙人を登場させる予定だった。しかし技術的に実現せずデザインまでは完成していた。それを蘇らせたのが今作。スピルバーグはキューブリックから正式に後は任せたと言われたらしい。

2001年宇宙の旅ではラスト人間が進化して終わる。今作は宇宙人やロボットが生き残って終わる、対比した映画なのだ。
さらに奇跡的に今作は2001年に作られている。

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