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悔やみ謝る。「アイリッシュマン」解説

アメリカの必需品を運ぶトラック協会の院長であり大統領の次に権力があったと言われるジミーホッファとそれを殺したと告白したボディガードシーランの物語。

ーテーマー

悔やみ謝る事。人間としても宗教的にもこのテーマが扱われています。

マーティンスコセッシの映画では共通して描かれており、レイジングブルでは私生活で危害を加えてしまった場合リング上で無防備に殴られ許しを得る為に罰を受けてるかのようです。

ーなぜマフィアが雇われるのかー

それは企業でストライキが起きたときにそれを潰す存在として雇われてきました。

ー登場人物に死亡理由と日時が出る理由ー

これはどんなにすごい大物でも死ぬんだという運命を表してます。ロクな死に方をしないマフィア達のその後を表してますね

ーなぜパンにワインをつけて食べる?ー

パンはキリストの肉体、ワインはキリストの血であり神を崇拝する意味で食べられてます。

ーなぜ寝る時ドアを完全に閉めないのか?ー

つながりを表す為。ジミーはシーランとのつながりをシャットアウトしたくないから。とアルパチーノは語っています

彼らは兄弟でありお互いを必要としています。

ーなぜペギーは沈黙するのかー

スコセッシ監督は沈黙という映画の中で沈黙してるのは神だと描きました。

ペギーは神を描いています。ペギーにプレゼントをして喜ばれるのはジミーだけ。そのジミーを殺した主人公はペギーになぜ奥さんに電話してやらないの?と言われる(ジミーにはなぜ殺したの?と聞こえる)。

聖書の中で似た話があります。カインとアデルは神に捧げ物をしますが受け取ってくれるのはアデルのものばかりです。これに嫉妬したカインはアデルを野原に連れて行き殺します。その後神はカインに弟はどこだ?と聞かれるも知らないフリをします。

ーラストー

ジミーを殺し色んなマフィアを殺し汚い仕事ばかりさせられ1番後悔を持った男だけが生き残り謝ることすらできない。

カインはアデルを殺した罪を背負ったまま生き続けろと神に罰を与えられるように主人公も生かされ続ける。

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