見出し画像

利用者に付き添いをするときのマナー

私たち支援者は、利用者に付き添って面談や調査に立ち会わせてもらうことがあります。付き添うときにはマナーがあります。また、主役の座を奪ってはいけません。主役は利用者です。気づくと利用者より支援者の方が目立っていることがあります。

契約者はだれ?

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。主たる業務は理事長職です。また、相談業務を兼務しています。そのため、面談や調査に立ち会わせてもらうことがあります。そのとき、関係者のふるまいで気になることがあります。

まず、よくあるのは利用者が新しいサービスを使うときの初回の面接、そこでの名刺の渡し方です。初回の面接のとき、私が利用者に付き添っていたとします。そのとき先方の担当者は、最初に私に名刺を渡します。これは間違いです。最初にあいさつをしなければいけないのは利用者本人です。サービスを使うのは利用者、契約者は利用者です。一般の商業取引ではあたりまえのことが福祉事業所はできません。

付き添いを確認する

また、付き添いをする側も守らなければいけないマナーがあります。若いころの私は、そんなことおかまいなしにふるまっていました。私が付き添ってあげる、私が付き添わなくてどうする、私が付き添うのが当然でしょう、そんなふうに思っていました。しかし、誰が付き添うか、それを選ぶ権利は利用者にあります。

私の法人の支援者には付き添いをするときに、付き添っていいかどうか、もしくは付き添わしてして欲しい、それが自分でいいかどうか、その確認をするように伝えています。支援者は付き添うのが当然だと思っています。しかし、利用者によっては付き添いは余計なお世話だと思っている場合があります。確認をしなければいけません。

厳禁:利用者抜きの盛り上がり

ある利用者の面談をしたときのことです。利用者から、面談は日中活動の職員とグループホームの職員を一緒にしないで欲しいと言われました。その人は以前の面談で辛い思いしたことがありました。その面談では、自分がいるのに自分を抜きで支援者同士が話をし、さらに「あなたは、なになにができていない」とか「なんでそんなことをするんだ」と問い詰められたと言います。面談等では、支援者同士で話が盛り上がってしまうことがあります。

支援者同士で話が盛り上がるときというのは、一人の支援者が「日中活動で〇〇があったんですよ」と話し始めます。すると別の事業所の支援者が「グループホームでも似たようなことがあって…」と続けます。そんな話で盛り上がると、利用者本人は居場所をなくします。

また、私の法人では、支援者がお母さんと話が盛り上がり、利用者本人が辛くなったことがあります。お母さんが「この子、小さいとき〇〇でね…」と話すと、支援者が「えっーそうなんですかぁ」と笑い始めました。私は、隣の部屋でそのやりとりを聞いていて、利用者を救出に行きました。私がその部屋に入って行くと利用者は、私に飛びついて手を引っ張て外に出て行きました。

利用者に付き添いをするときのマナー

「支援」という仕事では、付き添いをしなければいけないことがたくさんあります。しかし、支援者が付き添って当然、付き添わなくてどうする、そう思い始めると利用者の立場が弱くなります。

こういうことをしっかり伝えて行くというのが昔から仕事をしている人の役目でもあります。

連続投稿1000日まで、あと9日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?